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本館・徒然日記:CLAMP作品の感想などを綴ってます。雑誌のネタバレですので、コミック派の方はご注意ください。
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小狼はまだ目が覚めないようだった。
「じゃあその間にオレ達でこの国の洋服買ってくるねー」
真路は立ち上がった。
「あ、だったら私も・・・」
「真路ちゃんはサクラちゃんと一緒に待っててー」
黒鋼とモコナとファイは行ってしまった。
真路は見えなくなったファイの後ろ姿をそのまま少しの間見ていた。

なんか・・・さけられてるような・・?
気のせいかな?

サクラの声ではっとした。どうやら、小狼がうなされているらしく、それでサクラが揺り起こした。
「本当に?隠したらもっと心配になる。」
「本当に大丈夫です。ちょっとヘンな夢をみただけで。」
「怖い夢?」
「怖いというか・・・」
「あのね、この前のピッフル国の羽根で戻った記憶にあったの。怖い夢を見たときはね。こうすればいいって雪兎さんが教えてくださったの。」
そう言って、サクラは小狼の手を取り、額を小狼の額につけた。
真路はいつものように立ち去ろうとしたが、逃げ場がないことに気がついた。

き、木の後ろに隠れるのも変・・・だよね。

「ラブラブだー!」
モコナの声で二人ははっとして離れ、二人とも顔を真っ赤に染めた。
「いやあの!」
「小狼君が怖い夢見たって、あの、あのだから!」
真路はクスクス笑う。
「おまじないしてたの?」
ファイがにこりと微笑んだ。
真路は二人が真っ赤な顔を上下に動かすのがまた可愛いななどと思っていた。

早速ファイ達が買ってきた服に着替え、五人はまずこの国の図書館に入った。近隣国でも一番大きいらしく、本は見渡す限りに敷き詰められている。
小狼は見るからに楽しそうで、それを見るサクラの何だか嬉しそうだった。
「小狼、夢中ー♡」
「はー、出来れば買ってあげたいねぇ、お父さん。」
「いい加減、そのネタから離れろ!」
「っていうか、図書館って借りるところなんじゃ・・?」
小狼は背表紙に何も書かれていない本を見つけたが、その事に気がついたのは黒鋼だけだった。

しばらくして、真っ先に異変に気がついたのはサクラだった。
小狼が倒れて、黒鋼が小狼を医務室に運び、二人だけで何やら話をすることになった。


ファイとサクラは羽根について情報集めに行き、真路はモコナとその場で待つことになった。
真路はおもむろに噴水の水に指を浸けて、そのふちを濡らしていく。
そこには砂盤に描かれた蝙蝠のようなマークが描かれていった。

「真路。」
突然に声をかけられて、真路はビクリとした。
「何ですか?」
「前の国・・真路の元いた国だったんだよね?」
「ええ。」
「真路はもう、あそこには戻らないつもりなの?」
「それは私の決められる事じゃないでしょう?君が移動して、またあそこに着くって事もありうるし。」
屁理屈みたいなことを言って、モコナの本当に尋ねたことには答えなかった。
モコナはそれがわざとだと気付いただろうか?
「そうじゃなくて、真路はもう・・・・」
モコナは言葉を探したが、上手い言い方が見つからなかった。

「真路は、これからどうするの?」
噴水のふちに描かれた蝙蝠はもう消えかけていた。
真路はその横に座って、足をブラブラさせる。やがて足を止めた。
「極東国には、帰りたく・・・・無い訳じゃないです。」
どんな国であれ、自分が生まれ育った土地だ。
そこを離れることが辛くない訳じゃなかった。

「でも、今はまだ帰れない、な。もしいつかまた、あそこに戻れるとしても。」
真路は少し間をおいた。
「私は家族を殺した奴を捜したいんです。」

モコナは眉間を曇らせる。
「殺されたの・・・?」
「ええ、昔。」
「・・・・でも、だったらどうして極東国から・・」
「あそこには居ないことが分かりました。・・・そして、あの世界じゃなくて、別の世界からだったかもしれないんです。」
「・・・・見つけて、どうするの?」
「・・・・そうですね。」
すうっと息をついた。

「でも、とにかく前に、進めたらなって・・。」

本当は殺すつもりだった。しかし、今ではそれが本当にしたいことなのか、よく分からない。
あの雪の日、確かにそれを望んでいた。
しかし今はそれが願いなんだろうか?
私は生きるために、沢山の人の命を奪っているから、引き返せなくなっているだけなんじゃないか?
犠牲を無意味じゃなかったことにしたいだけなのかもしれない。

「私は結局、それだけを目指してたから。・・・・・・・・ずっと、ずっと。」
吹き上がって、落ちた水は波紋となって、広がる。

「だから、小狼君とか、春香ちゃんは凄いなって思います。」
にこりと微笑んだ。
「とても・・・私の届く所じゃないけど、そんな風に、私は私なりの方法で、前に進めたって、思いたいんだ。」


目次
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ようやく公開できました・・。
途中何度も書き直して、なかなか公開できずに、ずっと非公開にされていた記事です。

ちょっと短いんですが、内容的に区切りが良いのでここで1話は終わりです。
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