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プロフィール
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夕稀
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女性
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女の服装って言うのはどうしてこうも、ひらひらしたものが多いんだろう。
これじゃあもしもって時に動けない。
それとも何?もしかして女の人は男の人にか弱く見せて、守って貰うためにこんな格好をするのか?
それとも、自分の命よりも綺麗に見せることが大事なのか?
体術をあまり使わない魔術師などの類、王家、姫巫女、誰かに守られる存在はいいけれど、そうじゃない者はどうしろっていうんだろう?
「とにかく、修理しながらみんなを待とうねー。おみやげあるかなぁ?」
「って!ナニ茶飲んでくつろいでんだよ!」
男は金槌を投げつけた。
「お前もやれよ!!」
屋根の上で怒っている。
そしてふいに、少女と目があった。
「・・・・立ち聞きするつもりはなかったんだけど、そういう状況になったことは謝るよ。」
「さっきからずっとそこで立ち聞きしといてかよ。」
黒鋼は不機嫌そうに見つめる。
「話し中に割り込んじゃ、いけないかなって。
・・・私はレミニス<Reminis>。”玖楼国の姫”と玖楼国の男の子、ここにいる?」
ファイは微笑む。
「今はちょっと出掛けてるけどー?」
「そっか、ならまぁいいや。また出直すことにする。またね、魔術師、忍者。」
「ああ?!」
問いつめようとしたが、レミニスはもういなかった。
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目次へ
これじゃあもしもって時に動けない。
それとも何?もしかして女の人は男の人にか弱く見せて、守って貰うためにこんな格好をするのか?
それとも、自分の命よりも綺麗に見せることが大事なのか?
体術をあまり使わない魔術師などの類、王家、姫巫女、誰かに守られる存在はいいけれど、そうじゃない者はどうしろっていうんだろう?
「とにかく、修理しながらみんなを待とうねー。おみやげあるかなぁ?」
「って!ナニ茶飲んでくつろいでんだよ!」
男は金槌を投げつけた。
「お前もやれよ!!」
屋根の上で怒っている。
そしてふいに、少女と目があった。
「・・・・立ち聞きするつもりはなかったんだけど、そういう状況になったことは謝るよ。」
「さっきからずっとそこで立ち聞きしといてかよ。」
黒鋼は不機嫌そうに見つめる。
「話し中に割り込んじゃ、いけないかなって。
・・・私はレミニス<Reminis>。”玖楼国の姫”と玖楼国の男の子、ここにいる?」
ファイは微笑む。
「今はちょっと出掛けてるけどー?」
「そっか、ならまぁいいや。また出直すことにする。またね、魔術師、忍者。」
「ああ?!」
問いつめようとしたが、レミニスはもういなかった。
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「え?おれはここに来たのは初めてですし・・知り合いとかはいないと思うんですけど・・」
「だよねぇ。なんか、さくらちゃんぐらいの女の子で、黒い髪の子だったよー」
「何か俺のことも知ってる口振りだったな。」
「オレの事もねー」
「え?!」
サクラは布で小狼の傷口を拭いている。
「・・とりあえず、まぁ今ここで議論してても仕方がないしー今は領主とかの事を考えようか。」
「はい」
「で、一年前に急に強くなったって言ってたね、その領主。
サクラちゃんの羽根に関係ないかなぁ。」
「あれ?結界が・・・解けてる。」
レミニスは城門をくぐり、中へと入っていった。
コツン、コツンと、音がする。
レミニスが立ち止まったままいると、案の定、3人とモコナがやってきた。
「あ、レミニスちゃん?」
「貴方が・・」
やはり小狼の知り合いではなかったらしく、不思議そうにしている。
「あなたが”玖楼国の人”?」
「小狼です。」
「知ってる。」
「え!?」
レミニスは辺りを見回した。
「あなた達はどこから入ったの?」
「どこって・・城門からかなぁ。」
小狼は床の碁石を拾った。
「元の場所に戻ってます。」
「ああ?似たような場所だが、引き返しちゃいねぇぞ。」
「一本道ではあったよね。」
小狼は碁石を見せた。
「入口にこれを落として置いたんです。」
「小狼すごい。」
レミニスはじっと小狼を見つめた。
「え?何・・ですか?」
やがてレミニスはぱっと離れる。
「やっぱりまだか・・・」
「え?何がですか?」
レミニスが答える前にファイが遮った。
「で、君はどうしてここにいるのかなぁ?」
「ここにこの子がいると思ったから。」
レミニスは黒鋼の方をちらりと見る。
「嫌だな・・この子に危害を加えたりはしないよ。」
「何の話だ。」
「さっき、一触即発っぽかったと思ったのは私の勘違い?」
「・・・じゃあ、その時場合によってはその短刀を使おうとしてるように見えたのは俺の勘違いか?」
「・・・さぁ、どうかな。」
黒鋼はレミニスを睨んだ。
「あ、警戒した?私のこと。まぁいいけどね、私はあなた達となれ合う必要はないし。」
ファイは壁に手を当てた。
「・・・ここかなぁ。」
「何かありましたか?」
小狼はファイを覗き込んだ。
「この手の魔術はね、一番魔力が強いところに術の元があるもんなのー」
「この向こうに領主がいるのか?」
レミニスはその壁をコンコンと叩く。
「どうかな。そんな入口近くにいるとは思えないけど。少なくとも、何らかの突破口はあるんじゃない?」
「・・魔力は使わねぇんじゃなかったのかよ。」
「今のはカンみたいなものだからー」
小狼はファイを見ていた。
「なるほど、つまり忍者<あなた>は魔術の知識は0ってことか。」
「うるせぇ」
黒鋼は壁を壊そうと拳を前に押し出す。
「え?ちょっと・・・」
レミニスの予想とは違い、その手は壁を突き破った。
「凄い、こういうのを怪力と・・」
「うるせぇ!」
砂埃の中から誰かの影が見える。
「誰かいます!」
「「よう来たな。虫けらどもめ。」」
領主とその息子は秘術でその様子を見ていた。
「やつらが何者でも敵ではないわ!」
その時、レミニスが振り返ってこちらを見ていた。
そして思い違いでもなく確かに、その薄茶色の瞳と領主は目があった。
レミニスは秘妖の秘術で創られた珠を魔術で粉砕させる。
「なんだ・・羽根を持っているのにたいしたことないな、あの領主」
レミニスは呟いた。
「え?」
3人にははっきりとは聞こえなかったようだ。
「・・・それなら、もうこの国には用はない。」
レミニスが右肩に触れると、その足元に魔法陣が現れた。紅く光っている。
「な!?」
「それじゃあ、また。」
レミニスの姿は薄れて、やがて散るように消えてしまった。
「異世界に・・移動した!?」
→next
→目次
「だよねぇ。なんか、さくらちゃんぐらいの女の子で、黒い髪の子だったよー」
「何か俺のことも知ってる口振りだったな。」
「オレの事もねー」
「え?!」
サクラは布で小狼の傷口を拭いている。
「・・とりあえず、まぁ今ここで議論してても仕方がないしー今は領主とかの事を考えようか。」
「はい」
「で、一年前に急に強くなったって言ってたね、その領主。
サクラちゃんの羽根に関係ないかなぁ。」
*
「あれ?結界が・・・解けてる。」
レミニスは城門をくぐり、中へと入っていった。
コツン、コツンと、音がする。
レミニスが立ち止まったままいると、案の定、3人とモコナがやってきた。
「あ、レミニスちゃん?」
「貴方が・・」
やはり小狼の知り合いではなかったらしく、不思議そうにしている。
「あなたが”玖楼国の人”?」
「小狼です。」
「知ってる。」
「え!?」
レミニスは辺りを見回した。
「あなた達はどこから入ったの?」
「どこって・・城門からかなぁ。」
小狼は床の碁石を拾った。
「元の場所に戻ってます。」
「ああ?似たような場所だが、引き返しちゃいねぇぞ。」
「一本道ではあったよね。」
小狼は碁石を見せた。
「入口にこれを落として置いたんです。」
「小狼すごい。」
レミニスはじっと小狼を見つめた。
「え?何・・ですか?」
やがてレミニスはぱっと離れる。
「やっぱりまだか・・・」
「え?何がですか?」
レミニスが答える前にファイが遮った。
「で、君はどうしてここにいるのかなぁ?」
「ここにこの子がいると思ったから。」
レミニスは黒鋼の方をちらりと見る。
「嫌だな・・この子に危害を加えたりはしないよ。」
「何の話だ。」
「さっき、一触即発っぽかったと思ったのは私の勘違い?」
「・・・じゃあ、その時場合によってはその短刀を使おうとしてるように見えたのは俺の勘違いか?」
「・・・さぁ、どうかな。」
黒鋼はレミニスを睨んだ。
「あ、警戒した?私のこと。まぁいいけどね、私はあなた達となれ合う必要はないし。」
ファイは壁に手を当てた。
「・・・ここかなぁ。」
「何かありましたか?」
小狼はファイを覗き込んだ。
「この手の魔術はね、一番魔力が強いところに術の元があるもんなのー」
「この向こうに領主がいるのか?」
レミニスはその壁をコンコンと叩く。
「どうかな。そんな入口近くにいるとは思えないけど。少なくとも、何らかの突破口はあるんじゃない?」
「・・魔力は使わねぇんじゃなかったのかよ。」
「今のはカンみたいなものだからー」
小狼はファイを見ていた。
「なるほど、つまり忍者<あなた>は魔術の知識は0ってことか。」
「うるせぇ」
黒鋼は壁を壊そうと拳を前に押し出す。
「え?ちょっと・・・」
レミニスの予想とは違い、その手は壁を突き破った。
「凄い、こういうのを怪力と・・」
「うるせぇ!」
砂埃の中から誰かの影が見える。
「誰かいます!」
「「よう来たな。虫けらどもめ。」」
*
領主とその息子は秘術でその様子を見ていた。
「やつらが何者でも敵ではないわ!」
その時、レミニスが振り返ってこちらを見ていた。
そして思い違いでもなく確かに、その薄茶色の瞳と領主は目があった。
*
レミニスは秘妖の秘術で創られた珠を魔術で粉砕させる。
「なんだ・・羽根を持っているのにたいしたことないな、あの領主」
レミニスは呟いた。
「え?」
3人にははっきりとは聞こえなかったようだ。
「・・・それなら、もうこの国には用はない。」
レミニスが右肩に触れると、その足元に魔法陣が現れた。紅く光っている。
「な!?」
「それじゃあ、また。」
レミニスの姿は薄れて、やがて散るように消えてしまった。
「異世界に・・移動した!?」
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→目次
「また私の勝ちね。」
テーブルの上のコインを手際よくポケットにしまう。
周りはわっ、とざわついた。
「え?”イカサマ”・・って何?あ、ずるしたんじゃないかって?してないよ。」
「レミニスさん!?」
レミニスはこちらに気がついて、立ち上がる。
小狼を見て、「今回もまだみたいね。」と言った。
「何がですか?」
「レミニスちゃん、さくらちゃんにもそれ、教えてあげてくれる?」
少し嫌そうな顔をしたが、少し考えていった。
「後で私を北の町の途中まで乗せてくれるなら、いいよ。」
「そこって遠いのかなぁ?」
「いや、隣町だし、馬に乗ればすぐらしい。そこにちょっと用がある。それに、どうせあなた達はついででしょ?」
「どうして?」
ファイの上着を着たさくらが訊いた。
「知らないの?北の町の話。」
言ってしまってから、しまった、という顔をする。
「どんな話なんですか?」
「・・・口を滑らせたか。」
小狼はもう聞く気満々で見ているので、レミニスは溜息をついた。
「・・おじさん、北の町の話、この人達が聞きたいって。教えてあげて。」
店員は愛想良くやってきて、話を聞かせた。
「さっきはありがとう。ルール教えてくれて・・」
さくらは小狼の前に乗せて貰っている。茶色い毛だが、しっぽなどは黒い馬だ。
「結局分かってなかったみたいだけどね。」
「ご、ごめんなさい。」
地面には軽く雪が積もっている。
「何にしても、取引だからね。まぁ、伝わってなかったんだから、これは北の町の事を教えてあげた事に対する報酬ね。」
黒鋼が不機嫌そうだ。
「どっちにしても、そりゃ、こいつが言ったことだろ?何で俺の後ろに来るんだよ!!」
「誰でもいいでしょ?あなただって、早くここを移動したいんだから。
あなたの後ろにしたのは一番分かり易かったってだけ。」
「何がだ?」
レミニスは黒鋼を見据える。
「私のこと、疑ってる。」
さくらと小狼達とは少し距離があって、聞こえていないらしかった。
「勘違いしないで。嫌って訳じゃない。むしろ、それを態度で表してて、逆に安心する。」
ファイには会話が聞こえているらしい。ただ微笑んでいた。
「・・そういえば、サクラちゃんの国は砂漠の真ん中にあるんだっけ?」
「はい。」
「じゃあ雪は初めてかもねー。黒るんとこはー?」
いつの間にか、黒鋼のファイの呼び方に対する反応が薄くなっている。ここに来るまでに、どれ程の国を回ったのかは分からないが、親密度は圧倒的に高くなっている。
「日本国には四季があるからな。冬になれば寒いし、夏は暑い。」
「ファイの所は?」
いつの間にか、モコナはファイの襟元に来ている。
「寒いよー。北の国だったから。」
「小狼君は?」
「おれは父さんと色んな国を旅していたので。」
「寒い国も、暑い国も知ってるのね。」
レミニスはさくらとは初対面だったが、それ以上に、さくらがよく分からなかった。
「レミニスちゃんは?」
思いがけず、さくらに話を振られて、レミニスは驚いた。
「・・・。」
大きな家、木々の音。あの人の言葉。
『レミニス、―――――――と、伝えてください。あの人に・・』
少しの間反応がなかったので、心配そうにさくらが顔を覗き込んでいる。
「レミニスちゃん?」
「・・・憶えてないな。」
「え?」
「私が旅に出たのはずっと、昔だから。」
この言葉を信じたのはおそらくさくらとモコナだけだった。
「そうなんだ・・」
さくらは残念そうだった。
「それより、私みたいな得体の知れない人間に気を許さない方がいいんじゃない?
今は別に危害を加えたりする気はないけど、私だってあなた達の敵になるかもしれないんだから。」
”かも”ではない。いずれは”必ず”。その時は訪れる。
なのに、そう言わなかった自分が今度は分からなかった。
「それって、どういうこと?」
「いずれ、わかるよ。」
レミニスは辺りを見回す。
「もう町が見える。私はここでいいよ。止めて。」
馬が止まると、すぐに降りた。
「馬、乗れないこともないけど、こんな格好じゃ無理だからね。町で私を見かけても、声はかけないで。」
「え?ちょっと待っ・・」
レミニスが立ち去ろうとするのを、さくらは思わずその裾を掴んで止めようとした。レミニスは驚いて振り返る。
風が突然起こって、積もっていた雪が四人の目をふさいだ。
風が止んだ頃にはもう、彼女はいなかった。
→next
→→目次
テーブルの上のコインを手際よくポケットにしまう。
周りはわっ、とざわついた。
「え?”イカサマ”・・って何?あ、ずるしたんじゃないかって?してないよ。」
「レミニスさん!?」
レミニスはこちらに気がついて、立ち上がる。
小狼を見て、「今回もまだみたいね。」と言った。
「何がですか?」
「レミニスちゃん、さくらちゃんにもそれ、教えてあげてくれる?」
少し嫌そうな顔をしたが、少し考えていった。
「後で私を北の町の途中まで乗せてくれるなら、いいよ。」
「そこって遠いのかなぁ?」
「いや、隣町だし、馬に乗ればすぐらしい。そこにちょっと用がある。それに、どうせあなた達はついででしょ?」
「どうして?」
ファイの上着を着たさくらが訊いた。
「知らないの?北の町の話。」
言ってしまってから、しまった、という顔をする。
「どんな話なんですか?」
「・・・口を滑らせたか。」
小狼はもう聞く気満々で見ているので、レミニスは溜息をついた。
「・・おじさん、北の町の話、この人達が聞きたいって。教えてあげて。」
店員は愛想良くやってきて、話を聞かせた。
*
「さっきはありがとう。ルール教えてくれて・・」
さくらは小狼の前に乗せて貰っている。茶色い毛だが、しっぽなどは黒い馬だ。
「結局分かってなかったみたいだけどね。」
「ご、ごめんなさい。」
地面には軽く雪が積もっている。
「何にしても、取引だからね。まぁ、伝わってなかったんだから、これは北の町の事を教えてあげた事に対する報酬ね。」
黒鋼が不機嫌そうだ。
「どっちにしても、そりゃ、こいつが言ったことだろ?何で俺の後ろに来るんだよ!!」
「誰でもいいでしょ?あなただって、早くここを移動したいんだから。
あなたの後ろにしたのは一番分かり易かったってだけ。」
「何がだ?」
レミニスは黒鋼を見据える。
「私のこと、疑ってる。」
さくらと小狼達とは少し距離があって、聞こえていないらしかった。
「勘違いしないで。嫌って訳じゃない。むしろ、それを態度で表してて、逆に安心する。」
ファイには会話が聞こえているらしい。ただ微笑んでいた。
「・・そういえば、サクラちゃんの国は砂漠の真ん中にあるんだっけ?」
「はい。」
「じゃあ雪は初めてかもねー。黒るんとこはー?」
いつの間にか、黒鋼のファイの呼び方に対する反応が薄くなっている。ここに来るまでに、どれ程の国を回ったのかは分からないが、親密度は圧倒的に高くなっている。
「日本国には四季があるからな。冬になれば寒いし、夏は暑い。」
「ファイの所は?」
いつの間にか、モコナはファイの襟元に来ている。
「寒いよー。北の国だったから。」
「小狼君は?」
「おれは父さんと色んな国を旅していたので。」
「寒い国も、暑い国も知ってるのね。」
レミニスはさくらとは初対面だったが、それ以上に、さくらがよく分からなかった。
「レミニスちゃんは?」
思いがけず、さくらに話を振られて、レミニスは驚いた。
「・・・。」
大きな家、木々の音。あの人の言葉。
『レミニス、―――――――と、伝えてください。あの人に・・』
少しの間反応がなかったので、心配そうにさくらが顔を覗き込んでいる。
「レミニスちゃん?」
「・・・憶えてないな。」
「え?」
「私が旅に出たのはずっと、昔だから。」
この言葉を信じたのはおそらくさくらとモコナだけだった。
「そうなんだ・・」
さくらは残念そうだった。
「それより、私みたいな得体の知れない人間に気を許さない方がいいんじゃない?
今は別に危害を加えたりする気はないけど、私だってあなた達の敵になるかもしれないんだから。」
”かも”ではない。いずれは”必ず”。その時は訪れる。
なのに、そう言わなかった自分が今度は分からなかった。
「それって、どういうこと?」
「いずれ、わかるよ。」
レミニスは辺りを見回す。
「もう町が見える。私はここでいいよ。止めて。」
馬が止まると、すぐに降りた。
「馬、乗れないこともないけど、こんな格好じゃ無理だからね。町で私を見かけても、声はかけないで。」
「え?ちょっと待っ・・」
レミニスが立ち去ろうとするのを、さくらは思わずその裾を掴んで止めようとした。レミニスは驚いて振り返る。
風が突然起こって、積もっていた雪が四人の目をふさいだ。
風が止んだ頃にはもう、彼女はいなかった。
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