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夕稀
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女性
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「・・・暇ですね。」
ソファー以外には何もない大きな家。黒鋼と真路はそれぞれ壁により掛かって、小狼達の帰りを待っていた。
「さくらちゃんも起きませんし。」
さくらに目をやる。小狼達が帰ってくるまでに起きるとは思えなかった。
さくらの幸せそうな寝顔で我に返り、黒鋼に視線を戻した。
「・・あ、でも。こうしていられるってことはそれなりに緊迫してないって事ですし、平和だ・・ってことですけど。」
何となくトーンが低くなったのを黒鋼は聞き逃さない。
「お前は残念なのか?」
不意を付かれたような質問に、真路は驚いた。
「・・・そう、かもしれません。」
高麗国で切れてしまった髪留めを結んでみたりしてみたが、また髪を結えるとは思えなかったので、そのまましまう。
「私は戦うこと、嫌いじゃないですから。」
微笑んでみる。
「前の国では、少国民隊なんていう軍隊みたいなのに入ってましたし。・・とはいっても、半分はスパイみたいなこともしてましたから”忍者”というのに似てるかもしれませんね。」
「・・それは、あの魔術師には知られたくない事か?」
真路は不意を付かれてばかりで、最終的には溜息をついた。その言わんとしていることは分かっていた。
「あなたの観察力の良さには、本当に・・恐いぐらいですね。」
真路は腰を上げる。
「でも、それは別にそんなことないですよ。それに、もうみんな知ってますし。知らなかったのは黒鋼ぐらいかも。」
黒鋼は訝しげに真路を見上げた。
「お前は一体どうしたいんだ?」
真路は少しだけ、ただの少女の表情になった。そしてきゅっと力を入れる。
「・・・私は、見てるだけでいいって思ってます。誰かに好きになって貰う資格はありませんから。」
黒鋼は何か言おうとしたが、それが言葉になる前にドアが開いた。
「ただいまー。」
「ただいま帰りました。」
こうしてると、何だか仲間というより、家族みたいだなと真路は思った。自然と目は細くなる。
「黒わんた、いい子で待ってたー?」
「だから犬みてぇに呼ぶな!」
二人は決めてきた仕事について話した。
話し終わると、黒鋼の口元に笑みが現れた。
「なるほど・・・鬼児狩りか。退屈しのぎにはなりそうだな。」
しかし真路は何だか落ち着かず、不安そうにしていた。
「でも・・・あの、大丈夫なんですか?」
「え?」
小狼はきょとんとして顔を上げた。黒鋼もじっとそちらを見る。
「鬼児ってのがどれくらい強いのか分からねぇが、それを倒す仕事があって金が支払われるってことは、素人じゃ手が出せねぇってことだろう。」
真路は小狼の左目を手で隠した。
「真路さん・・?」
右目に目を突くような勢いで左手を近づけ、寸止めした。
小狼の目はピクリともしなかった。
「・・・やっぱり。」
真路は手を離して腕組みした。
「こっちの目、見えてませんね?」
ファイは驚いたように振り返った。
「初めてお前が戦うのを見たときは巧断というのを使っていた。ありゃ精神力で操るものだ。目が見えていようがいまいが関係ない。」
「その次の国、高麗国では着いてすぐ、領主の息子にさくらちゃんが腕を引っ張られた時、それをまったく見ずに反応しましたね?その殺気に。」
真路は続ける。
「あれは、見えてなかったからこそですね。けれど、昨日の鬼児相手には弱点になってたみたいですけど。」
「・・右からの攻撃への反応が僅かだが遅かった。もっと強い鬼児相手だと怪我するだけじゃ済まねぇぞ。」
「・・・出来るだけ迷惑をかけないようにします。」
小狼は黒鋼を真っ直ぐ、見上げた。
「お願いします。」
真路は黒鋼の方に目をやる。
「おっけーだよね、黒様ー。」
ここで「ああ。」とかいう返事を言わないところが黒鋼らしいなと真路は思った。真路は少し不安だったが、黒鋼が一緒なので何も言わなかった。
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ソファー以外には何もない大きな家。黒鋼と真路はそれぞれ壁により掛かって、小狼達の帰りを待っていた。
「さくらちゃんも起きませんし。」
さくらに目をやる。小狼達が帰ってくるまでに起きるとは思えなかった。
さくらの幸せそうな寝顔で我に返り、黒鋼に視線を戻した。
「・・あ、でも。こうしていられるってことはそれなりに緊迫してないって事ですし、平和だ・・ってことですけど。」
何となくトーンが低くなったのを黒鋼は聞き逃さない。
「お前は残念なのか?」
不意を付かれたような質問に、真路は驚いた。
「・・・そう、かもしれません。」
高麗国で切れてしまった髪留めを結んでみたりしてみたが、また髪を結えるとは思えなかったので、そのまましまう。
「私は戦うこと、嫌いじゃないですから。」
微笑んでみる。
「前の国では、少国民隊なんていう軍隊みたいなのに入ってましたし。・・とはいっても、半分はスパイみたいなこともしてましたから”忍者”というのに似てるかもしれませんね。」
「・・それは、あの魔術師には知られたくない事か?」
真路は不意を付かれてばかりで、最終的には溜息をついた。その言わんとしていることは分かっていた。
「あなたの観察力の良さには、本当に・・恐いぐらいですね。」
真路は腰を上げる。
「でも、それは別にそんなことないですよ。それに、もうみんな知ってますし。知らなかったのは黒鋼ぐらいかも。」
黒鋼は訝しげに真路を見上げた。
「お前は一体どうしたいんだ?」
真路は少しだけ、ただの少女の表情になった。そしてきゅっと力を入れる。
「・・・私は、見てるだけでいいって思ってます。誰かに好きになって貰う資格はありませんから。」
黒鋼は何か言おうとしたが、それが言葉になる前にドアが開いた。
「ただいまー。」
「ただいま帰りました。」
こうしてると、何だか仲間というより、家族みたいだなと真路は思った。自然と目は細くなる。
「黒わんた、いい子で待ってたー?」
「だから犬みてぇに呼ぶな!」
二人は決めてきた仕事について話した。
話し終わると、黒鋼の口元に笑みが現れた。
「なるほど・・・鬼児狩りか。退屈しのぎにはなりそうだな。」
しかし真路は何だか落ち着かず、不安そうにしていた。
「でも・・・あの、大丈夫なんですか?」
「え?」
小狼はきょとんとして顔を上げた。黒鋼もじっとそちらを見る。
「鬼児ってのがどれくらい強いのか分からねぇが、それを倒す仕事があって金が支払われるってことは、素人じゃ手が出せねぇってことだろう。」
真路は小狼の左目を手で隠した。
「真路さん・・?」
右目に目を突くような勢いで左手を近づけ、寸止めした。
小狼の目はピクリともしなかった。
「・・・やっぱり。」
真路は手を離して腕組みした。
「こっちの目、見えてませんね?」
ファイは驚いたように振り返った。
「初めてお前が戦うのを見たときは巧断というのを使っていた。ありゃ精神力で操るものだ。目が見えていようがいまいが関係ない。」
「その次の国、高麗国では着いてすぐ、領主の息子にさくらちゃんが腕を引っ張られた時、それをまったく見ずに反応しましたね?その殺気に。」
真路は続ける。
「あれは、見えてなかったからこそですね。けれど、昨日の鬼児相手には弱点になってたみたいですけど。」
「・・右からの攻撃への反応が僅かだが遅かった。もっと強い鬼児相手だと怪我するだけじゃ済まねぇぞ。」
「・・・出来るだけ迷惑をかけないようにします。」
小狼は黒鋼を真っ直ぐ、見上げた。
「お願いします。」
真路は黒鋼の方に目をやる。
「おっけーだよね、黒様ー。」
ここで「ああ。」とかいう返事を言わないところが黒鋼らしいなと真路は思った。真路は少し不安だったが、黒鋼が一緒なので何も言わなかった。
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今回のは意図的に間を多くしてみました。黒鋼と真路の会話に余韻・・っていうか、空気の重みを持たせられるといいなとか・・思って。
今回のは意図的に間を多くしてみました。黒鋼と真路の会話に余韻・・っていうか、空気の重みを持たせられるといいなとか・・思って。
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