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夕稀
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女性
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「チェックメイト」
真路は黒い駒を盤上に置いて、顔を上げた。
「また私の勝ちですね」
にこりと笑って、しまった、と口を押さえた。・・が、もう遅い。
「えっと、じゃあ私はこれで・・」
「待て」
黒鋼の負けず嫌いなところを出させてしまったらしかった。
「もう一局だ」
わざと負けようとも思うのだが、そうやってちょっとでも手を抜くと、見破られてしまって、さらに不機嫌にさせてしまう。
辺りを見回して、誰かに助けを求めた。
するとちょうど真路の後ろからファイがやって来る。
「はいはい、もう遅いから止めよーねー黒ぽん」
黒鋼が納得いったようには見えなかったが、ファイは上手に丸め込んで・・というか、無理矢理終わらせて、黒鋼を上に上がらせた。
「あ、有り難うございました」
「うううん。それより、真路ちゃん、これ強いねぇ」
「そんなことありません。初めてやったんですけど、あれは黒鋼が一度負けて向きになったからですよ。それで回を重ねるごとに余計なことを・・」
「そんなことないでしょー。凄く冷静だったしねー」
「有り難うございます」
もう遅いので、二人もそれぞれ部屋に上がって、寝ることにした。
外では雪がちらついている。
「ちぃちゃん、ちぃちゃん」
我慢できなくなって、千尋はばっ、と振り向いた。
「だから、女みたいな呼び方すんな!!」
「えー。なんで?」
「なんでって、そりゃ・・」
最前線の水瀬が笑う。
「千尋の言うことなんか気にすんな、真路。これからもそう呼んでやれ。面白いから」
「水瀬まで!!」
「・・もうちょっと静かにしようよ。いくら敵がいる可能性が低いとはいえ・・」
久人は宥めようとするが逆効果だったらしかった。
「だって!俺だって、好きでした訳じゃねぇのに、真路が。あれ見てから、ずっとこれなんだぞ!?人数が足りないからって、無理矢理やらされただけなのに!!これを黙ってられるかよ!!」
「大丈夫、可愛かったから。本当に、女装すごく似合ってて・・・」
「嬉しくねぇよ!!どんなフォローだよ!ってか、フォローじゃねぇだろ!」
長い拳銃を背負った少女が口を開く。
「ほら、もうX地点だよ。いい加減静かにしたら?」
水瀬は止まって振り返った。
「んじゃ、俺と久人と凪はこっちから。最後尾の大樹先頭で、残りの女二人はそっちな。」
「だから俺は女じゃねぇ!」
大樹が千尋を引っ張る。
「ほら、千尋はこっちだろ。行くよ?」
千尋は納得いかない様子でついていく。
「じゃあなっちゃん、また後でね。」
真路は手を振った。
「ええ・・」
元気がない返事に、真路は不安そうにしながら、ついていった。
「ねぇ、大樹・・。あっち大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ。隊長もいるし」
「でも・・」
「メンバーが不安なの?」
弱いと言ってるみたいな気がしたので頷くことはできなかったが、否定もしない。
「久人は確かにここに来て何ヶ月かしか経ってないけど、それなりに強いから伊組(いぐみ)にいるんでしょ?凪は確かに甘いけど、強いことに間違いないし、自分や仲間より敵の命を優先するほど馬鹿じゃないよ」
「そっか、そうだよね・・」
「今日は美里が別の仕事でいないから、こっちのメンバーの方が心配なぐらいだよ」
「なんだと!!」
「ちぃちゃん、大樹はからかってるんですよ」
大樹はにこりと笑った。
さくらははっとして起きあがった。
「あ。目、覚めてしまいましたか?」
さくらのベットの反対側の壁に付けて、もう一つベットが置いてあって、そこに真路が座っている。
「真路ちゃん。まだ起きてたの?」
真路は窓の方に目を移した。
「・・雪が、降ってるなって、思って」
「真路ちゃんの国では降らないの?」
「降りますよ。一面真っ白になるのは一年に数回ぐらいですけど。綿雪なら冬に割と」
「え?じゃあどう・・」
さくらは窓の外に何かが見えた気がして、そちらを向いた。
「さくらちゃん?」
「金の髪のお姫様が、今見えた気がしたんだけど・・気のせいかな?」
「え?」
真路は外を見る。しかし誰もいない。
「何かを見間違えたんじゃないですか?」
「そうかも・・」
「もう遅いですし、寝ましょうか」
「うん。・・あ、真路ちゃん」
「何ですか?」
「敬語は・・」
真路は軽く微笑んだ。
「ああ、これはもう癖っていうか・・これが一番話しやすい話し方なんですよ」
「そうなの?」
頷く。
「じゃあ、おやすみなさい」
さくらがベットの中に入って目をつぶったのを見届けてから、ふと窓の外に目を向けた。
「え・・?」
子ども達が自分でドアを開けて、そして何処かへ歩いていく。
真路はさくらを見返したが、もう寝てしまったようだった。
子ども達が見えなくなりそうだったので、慌てて窓を開け、足をかけた。
そのまま飛び降りて、駆け出す。
だんだんと城に近づいていくのが分かった。そして、とうとう城の前に着いて、その川の水が止まり、その上を渡る子ども達を見た。
「これは・・」
その後ろから、男が忍び寄っていた。
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真路は黒い駒を盤上に置いて、顔を上げた。
「また私の勝ちですね」
にこりと笑って、しまった、と口を押さえた。・・が、もう遅い。
「えっと、じゃあ私はこれで・・」
「待て」
黒鋼の負けず嫌いなところを出させてしまったらしかった。
「もう一局だ」
わざと負けようとも思うのだが、そうやってちょっとでも手を抜くと、見破られてしまって、さらに不機嫌にさせてしまう。
辺りを見回して、誰かに助けを求めた。
するとちょうど真路の後ろからファイがやって来る。
「はいはい、もう遅いから止めよーねー黒ぽん」
黒鋼が納得いったようには見えなかったが、ファイは上手に丸め込んで・・というか、無理矢理終わらせて、黒鋼を上に上がらせた。
「あ、有り難うございました」
「うううん。それより、真路ちゃん、これ強いねぇ」
「そんなことありません。初めてやったんですけど、あれは黒鋼が一度負けて向きになったからですよ。それで回を重ねるごとに余計なことを・・」
「そんなことないでしょー。凄く冷静だったしねー」
「有り難うございます」
もう遅いので、二人もそれぞれ部屋に上がって、寝ることにした。
外では雪がちらついている。
「ちぃちゃん、ちぃちゃん」
我慢できなくなって、千尋はばっ、と振り向いた。
「だから、女みたいな呼び方すんな!!」
「えー。なんで?」
「なんでって、そりゃ・・」
最前線の水瀬が笑う。
「千尋の言うことなんか気にすんな、真路。これからもそう呼んでやれ。面白いから」
「水瀬まで!!」
「・・もうちょっと静かにしようよ。いくら敵がいる可能性が低いとはいえ・・」
久人は宥めようとするが逆効果だったらしかった。
「だって!俺だって、好きでした訳じゃねぇのに、真路が。あれ見てから、ずっとこれなんだぞ!?人数が足りないからって、無理矢理やらされただけなのに!!これを黙ってられるかよ!!」
「大丈夫、可愛かったから。本当に、女装すごく似合ってて・・・」
「嬉しくねぇよ!!どんなフォローだよ!ってか、フォローじゃねぇだろ!」
長い拳銃を背負った少女が口を開く。
「ほら、もうX地点だよ。いい加減静かにしたら?」
水瀬は止まって振り返った。
「んじゃ、俺と久人と凪はこっちから。最後尾の大樹先頭で、残りの女二人はそっちな。」
「だから俺は女じゃねぇ!」
大樹が千尋を引っ張る。
「ほら、千尋はこっちだろ。行くよ?」
千尋は納得いかない様子でついていく。
「じゃあなっちゃん、また後でね。」
真路は手を振った。
「ええ・・」
元気がない返事に、真路は不安そうにしながら、ついていった。
「ねぇ、大樹・・。あっち大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ。隊長もいるし」
「でも・・」
「メンバーが不安なの?」
弱いと言ってるみたいな気がしたので頷くことはできなかったが、否定もしない。
「久人は確かにここに来て何ヶ月かしか経ってないけど、それなりに強いから伊組(いぐみ)にいるんでしょ?凪は確かに甘いけど、強いことに間違いないし、自分や仲間より敵の命を優先するほど馬鹿じゃないよ」
「そっか、そうだよね・・」
「今日は美里が別の仕事でいないから、こっちのメンバーの方が心配なぐらいだよ」
「なんだと!!」
「ちぃちゃん、大樹はからかってるんですよ」
大樹はにこりと笑った。
さくらははっとして起きあがった。
「あ。目、覚めてしまいましたか?」
さくらのベットの反対側の壁に付けて、もう一つベットが置いてあって、そこに真路が座っている。
「真路ちゃん。まだ起きてたの?」
真路は窓の方に目を移した。
「・・雪が、降ってるなって、思って」
「真路ちゃんの国では降らないの?」
「降りますよ。一面真っ白になるのは一年に数回ぐらいですけど。綿雪なら冬に割と」
「え?じゃあどう・・」
さくらは窓の外に何かが見えた気がして、そちらを向いた。
「さくらちゃん?」
「金の髪のお姫様が、今見えた気がしたんだけど・・気のせいかな?」
「え?」
真路は外を見る。しかし誰もいない。
「何かを見間違えたんじゃないですか?」
「そうかも・・」
「もう遅いですし、寝ましょうか」
「うん。・・あ、真路ちゃん」
「何ですか?」
「敬語は・・」
真路は軽く微笑んだ。
「ああ、これはもう癖っていうか・・これが一番話しやすい話し方なんですよ」
「そうなの?」
頷く。
「じゃあ、おやすみなさい」
さくらがベットの中に入って目をつぶったのを見届けてから、ふと窓の外に目を向けた。
「え・・?」
子ども達が自分でドアを開けて、そして何処かへ歩いていく。
真路はさくらを見返したが、もう寝てしまったようだった。
子ども達が見えなくなりそうだったので、慌てて窓を開け、足をかけた。
そのまま飛び降りて、駆け出す。
だんだんと城に近づいていくのが分かった。そして、とうとう城の前に着いて、その川の水が止まり、その上を渡る子ども達を見た。
「これは・・」
その後ろから、男が忍び寄っていた。
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