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プロフィール
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夕稀
性別:
女性
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「「よくも私をこんな城に閉じ込めてくれたな。」」
領主を黒い渦の中に引きずり込んでいく。領主はもがくが、それはまるで無意味だった。
真路は秘妖とは初対面だったが、閉じこめられていたなら秘妖がその恨みを晴らすことに口出しする必要はないと思った。
それを察したのか、ファイは「信用しても大丈夫そうだよーその秘妖さん。」と言った。
「やめろぉ!」
「「安心しろ。秘妖の国で息子共々最高の持て成しをしてやろう。」」
「いやだぁー!!」
「自分のやったことの罰ぐらい素直に受けたらどうですか?」
秘妖は領主を捕まえたまま、春香の方へ目線を向けた。
「「春香とやらはお前か?」」
「・・・そうだ。」
「「おまえの母親は良い秘術師だった。」」
秘妖は微笑む。
「「この領主の卑劣な罠によって亡き者となったが、私との戦いで己を磨き、おまえが成長してそんな己以上の秘術師になることを楽しみにしている、と言っていた。」」
春香は涙をぬぐった。
「「強くなれ。私と秘術で競えるほどな。」」
「・・・・なる。絶対に!」
今はまだ、小さくとも、真っ直ぐなその眼差しを見届けて、秘妖は渦の中に消えていく。
「「では、またな。可愛い虫けらども。」」
「ひぃぃぃぃ!」
二人は黒くドロドロとした渦の中に消えて、その渦も一緒になくなってしまった。
小狼は羽根を覆っていたものをとって、羽根をさくらの中に入れる。
羽根は溶け込むようにさくらの中に消えていって、さくらはそのまま小狼の腕の中に受け止められた。
ファイが言ったように、さくらに戻された羽根は少ない。まだまだ眠そうだし、自意識も薄いように思う。
だからだろうか。だから気付かないんだろうか。
彼はこんなにも、想ってくれているのに・・・。
想えばその想いが必ずその人に伝わるわけでも、叶うわけでもない。さくらはもう二度と小狼との思い出を思い出すことはない。
小狼はつくづく強い。
心の強さはその人のためにはならない。それはその人を陥れ、不幸にする。
私はこの小さな春香よりも、愚かで、弱いんだ。
「ありがとう。領主をやっつけてくれて。」
「おれは何もしてないよ。」
町の人達がみんな集まっている。
五人はそれぞれ元の国の全く違う服装を来て、それに応じる。
「こっちこそありがとぉ。春香ちゃんにもらった傷薬良く効いたよー」
小狼の後ろからファイが微笑む。
春香はその言葉に嬉しそうに微笑んだ。
「母さんが作った薬なんだ。私にはまだ無理だけど、でもがんばって母さんに恥じない秘術師になる。」
さくらは春香の手を握った。
「なれるわ、きっと。」
「うん!」
「真路ちゃん、大丈夫?」
「・・何がですか?」
「何か、元気がないような気がしたんだけどー」
「気のせいですよ。」
自分の元いた国に戻ったとき、どうすればいいのか、わからなくなってきた。
何のために、私はあの対価を渡したんだろう。何のために、私は軍人になったんだろう。
本当に、私はそうすべきなのか。
いままでやってきたことが全て、否定された気がした。
異世界の旅を始めて、まだたったの2カ国。それなのに、もう私の旅の目的はぐらぐらと不安定に揺れて、なかったみたいになってくる。
元より、私の勝手に創り出した、蜃気楼だったのかもしれない。
→目次
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領主を黒い渦の中に引きずり込んでいく。領主はもがくが、それはまるで無意味だった。
真路は秘妖とは初対面だったが、閉じこめられていたなら秘妖がその恨みを晴らすことに口出しする必要はないと思った。
それを察したのか、ファイは「信用しても大丈夫そうだよーその秘妖さん。」と言った。
「やめろぉ!」
「「安心しろ。秘妖の国で息子共々最高の持て成しをしてやろう。」」
「いやだぁー!!」
「自分のやったことの罰ぐらい素直に受けたらどうですか?」
秘妖は領主を捕まえたまま、春香の方へ目線を向けた。
「「春香とやらはお前か?」」
「・・・そうだ。」
「「おまえの母親は良い秘術師だった。」」
秘妖は微笑む。
「「この領主の卑劣な罠によって亡き者となったが、私との戦いで己を磨き、おまえが成長してそんな己以上の秘術師になることを楽しみにしている、と言っていた。」」
春香は涙をぬぐった。
「「強くなれ。私と秘術で競えるほどな。」」
「・・・・なる。絶対に!」
今はまだ、小さくとも、真っ直ぐなその眼差しを見届けて、秘妖は渦の中に消えていく。
「「では、またな。可愛い虫けらども。」」
「ひぃぃぃぃ!」
二人は黒くドロドロとした渦の中に消えて、その渦も一緒になくなってしまった。
小狼は羽根を覆っていたものをとって、羽根をさくらの中に入れる。
羽根は溶け込むようにさくらの中に消えていって、さくらはそのまま小狼の腕の中に受け止められた。
ファイが言ったように、さくらに戻された羽根は少ない。まだまだ眠そうだし、自意識も薄いように思う。
だからだろうか。だから気付かないんだろうか。
彼はこんなにも、想ってくれているのに・・・。
想えばその想いが必ずその人に伝わるわけでも、叶うわけでもない。さくらはもう二度と小狼との思い出を思い出すことはない。
小狼はつくづく強い。
心の強さはその人のためにはならない。それはその人を陥れ、不幸にする。
私はこの小さな春香よりも、愚かで、弱いんだ。
*
「ありがとう。領主をやっつけてくれて。」
「おれは何もしてないよ。」
町の人達がみんな集まっている。
五人はそれぞれ元の国の全く違う服装を来て、それに応じる。
「こっちこそありがとぉ。春香ちゃんにもらった傷薬良く効いたよー」
小狼の後ろからファイが微笑む。
春香はその言葉に嬉しそうに微笑んだ。
「母さんが作った薬なんだ。私にはまだ無理だけど、でもがんばって母さんに恥じない秘術師になる。」
さくらは春香の手を握った。
「なれるわ、きっと。」
「うん!」
「真路ちゃん、大丈夫?」
「・・何がですか?」
「何か、元気がないような気がしたんだけどー」
「気のせいですよ。」
自分の元いた国に戻ったとき、どうすればいいのか、わからなくなってきた。
何のために、私はあの対価を渡したんだろう。何のために、私は軍人になったんだろう。
本当に、私はそうすべきなのか。
いままでやってきたことが全て、否定された気がした。
異世界の旅を始めて、まだたったの2カ国。それなのに、もう私の旅の目的はぐらぐらと不安定に揺れて、なかったみたいになってくる。
元より、私の勝手に創り出した、蜃気楼だったのかもしれない。
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