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夕稀
性別:
女性
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『人が人のために何かをするということ、人を想う気持ち、誰かに大切にされること、全部、あの子には分からないことなんですよ。』
日本では小狼と同じ姿の少年も、もう次元を移動して、空は雨の気配すらなかった。
『本当は全部、私が教えたかったんですけどね・・。』
あの人の苦笑いが、何度も思い出された。
あの人が言ったことは間違ってない。そしてそれは、今にも通じる。そして、ついこの間も、ずっと昔も。
「あの人は、自分に会う前のあの子の事は知らなかったけれど。あの人はあの子の事、本当によく分かっていたようね。」
障子を静かに閉めた。
「・・・本当は一度、知りかけたのだけど、彼女はそれをそういう風に受け取ることが出来なかった。再び傷つくのを、恐れて。」
モコナは目を大きくした。異変に気付いたのはモコナだけではなかった。気付いたのはレミニスや牙暁達も同じだ。
小狼は必死に頼んで、地下まで連れて行って貰えた。そこには既にレミニスの姿があった。
「レミニスさん!?」
さっきと服装が違ったが、そんなことを聞いている場合ではない。
「どうしてここにいるの?」
疑わしそうに見つめる颯姫を横目に水中を指差した。
「羽根ならこの中よ。」
小狼は詳しい話も聞かずに、中へ飛び込んだ。
しかし、今までレミニスが羽根のことに自分から協力することはなかった。その事が、少しも気にならなかったわけではない。
「で、どうしてここにいたのか、教えて貰えるかな?・・レミニスちゃん、だったよね?」
レミニスは遊人に視線を移す。ただ黙っていた。
「ここは関係者以外の人には入口がわかりにくいようにしてあったのよ?」
再び、水面に目を移した。
「レミニスちゃん・・?」
ファイは気が付いて、咄嗟に止めようと手を伸ばしたが、レミニスが水の中に入るのが早かった。
今までのを見る限り、レミニスは力はあるが、使える魔術は少ない。
今、小狼と二人にするのはまずい気がする。それに出掛ける前、レミニスがいった言葉が気になっていた。
そう考えていると、水面に血が浮いてきた。
「血!?」
「小狼、大丈夫かな・・?」
「だめだ、小狼君」
ファイはモコナを霞月に投げて、水中へ飛び込んだ。
水底に三人の人影が見える。近づくと、そこには神威をねじ伏せ、腕を引き千切っている小狼がいた。
神威は小狼を突き飛ばして、腕を元に戻した。
「「餌がこんな力を持つようになるとはな」」
神威はファイの方を見る。
「「お前が主人か?」」
ファイは首を振った。次にレミニスを見たので、レミニスも同じようにした。
水の中で声が伝わろうと、別に二人にとっては不思議ではなかった。
「「じゃあまさか、あのハンターの?」」
レミニスにはファイが何を思っているのかは分からなかったが、それでも何となく予想は出来た。
はっとして、二人は小狼の方を向いた。
右目から魔法陣が浮かび上がって、そしてそれが壊れていく。
「・・封印がもう、保たない。」
大きな渦ができ、それがファイ達の周りの水を全て巻き上げ、端に寄せていく。
「誰か来る。別の世界から。あのハンターじゃない。」
「もう一人の小狼君が、来る。」
レミニスは怪訝そうにファイを見つめた。
「やっぱり、知ってたか。」
小狼に会うたびに、レミニスは右目の封印が少しでも綻 んでいないか、確かめていた。
そして、やっぱりまだだったと言うと、その度に小狼が「何がですか?」と聞いてきた。
「私があの子にあの子が人でないことを言わないように、何かと話をごまかしてたもんね。」
「オレ達が出掛ける前に、言ってたことは・・」
「あれはまだわからない。或る人はそうならないと信じてた。でも・・、きっとそうなるよ。・・そうしたら、貴方は私の敵なのかもしれない。」
ファイは指をピンと立てた。ファイの魔力の気配が少し強くなる。
「そんなことをしたって、無駄よ。壊れていく封印は、もう止められない。」
ファイの魔術は文字となって、浮かび上がった魔法陣を取り囲んだ。そして、はじき飛ばされてしまった。
小狼の心ともいえるものだけが残って、それを小狼がその場に捨てた。転がって、ファイはそれを掴む。
レミニスは黙って見ていた。
小狼はファイに近づいて来る。
「小狼・・君」
小狼はファイを蹴り飛ばした。それに反応して、即座に短刀が飛んでくる。小狼はそれを避けた。
飛んできたその先に、レミニスが立っている。短刀は高麗国で、黒鋼に咎められた物だった。
「・・封印が解けても、あなた自身の心は生まれなかったみたいね。」
小狼はそちらに向き直った。
「だから今から、私は以前のあなた を想う人達と今のあなた の”敵”よ。」
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日本では小狼と同じ姿の少年も、もう次元を移動して、空は雨の気配すらなかった。
『本当は全部、私が教えたかったんですけどね・・。』
あの人の苦笑いが、何度も思い出された。
あの人が言ったことは間違ってない。そしてそれは、今にも通じる。そして、ついこの間も、ずっと昔も。
「あの人は、自分に会う前のあの子の事は知らなかったけれど。あの人はあの子の事、本当によく分かっていたようね。」
障子を静かに閉めた。
「・・・本当は一度、知りかけたのだけど、彼女はそれをそういう風に受け取ることが出来なかった。再び傷つくのを、恐れて。」
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モコナは目を大きくした。異変に気付いたのはモコナだけではなかった。気付いたのはレミニスや牙暁達も同じだ。
小狼は必死に頼んで、地下まで連れて行って貰えた。そこには既にレミニスの姿があった。
「レミニスさん!?」
さっきと服装が違ったが、そんなことを聞いている場合ではない。
「どうしてここにいるの?」
疑わしそうに見つめる颯姫を横目に水中を指差した。
「羽根ならこの中よ。」
小狼は詳しい話も聞かずに、中へ飛び込んだ。
しかし、今までレミニスが羽根のことに自分から協力することはなかった。その事が、少しも気にならなかったわけではない。
「で、どうしてここにいたのか、教えて貰えるかな?・・レミニスちゃん、だったよね?」
レミニスは遊人に視線を移す。ただ黙っていた。
「ここは関係者以外の人には入口がわかりにくいようにしてあったのよ?」
再び、水面に目を移した。
「レミニスちゃん・・?」
ファイは気が付いて、咄嗟に止めようと手を伸ばしたが、レミニスが水の中に入るのが早かった。
今までのを見る限り、レミニスは力はあるが、使える魔術は少ない。
今、小狼と二人にするのはまずい気がする。それに出掛ける前、レミニスがいった言葉が気になっていた。
そう考えていると、水面に血が浮いてきた。
「血!?」
「小狼、大丈夫かな・・?」
「だめだ、小狼君」
ファイはモコナを霞月に投げて、水中へ飛び込んだ。
水底に三人の人影が見える。近づくと、そこには神威をねじ伏せ、腕を引き千切っている小狼がいた。
神威は小狼を突き飛ばして、腕を元に戻した。
「「餌がこんな力を持つようになるとはな」」
神威はファイの方を見る。
「「お前が主人か?」」
ファイは首を振った。次にレミニスを見たので、レミニスも同じようにした。
水の中で声が伝わろうと、別に二人にとっては不思議ではなかった。
「「じゃあまさか、あのハンターの?」」
レミニスにはファイが何を思っているのかは分からなかったが、それでも何となく予想は出来た。
はっとして、二人は小狼の方を向いた。
右目から魔法陣が浮かび上がって、そしてそれが壊れていく。
「・・封印がもう、保たない。」
大きな渦ができ、それがファイ達の周りの水を全て巻き上げ、端に寄せていく。
「誰か来る。別の世界から。あのハンターじゃない。」
「もう一人の小狼君が、来る。」
レミニスは怪訝そうにファイを見つめた。
「やっぱり、知ってたか。」
小狼に会うたびに、レミニスは右目の封印が少しでも
そして、やっぱりまだだったと言うと、その度に小狼が「何がですか?」と聞いてきた。
「私があの子にあの子が人でないことを言わないように、何かと話をごまかしてたもんね。」
「オレ達が出掛ける前に、言ってたことは・・」
「あれはまだわからない。或る人はそうならないと信じてた。でも・・、きっとそうなるよ。・・そうしたら、貴方は私の敵なのかもしれない。」
ファイは指をピンと立てた。ファイの魔力の気配が少し強くなる。
「そんなことをしたって、無駄よ。壊れていく封印は、もう止められない。」
ファイの魔術は文字となって、浮かび上がった魔法陣を取り囲んだ。そして、はじき飛ばされてしまった。
小狼の心ともいえるものだけが残って、それを小狼がその場に捨てた。転がって、ファイはそれを掴む。
レミニスは黙って見ていた。
小狼はファイに近づいて来る。
「小狼・・君」
小狼はファイを蹴り飛ばした。それに反応して、即座に短刀が飛んでくる。小狼はそれを避けた。
飛んできたその先に、レミニスが立っている。短刀は高麗国で、黒鋼に咎められた物だった。
「・・封印が解けても、あなた自身の心は生まれなかったみたいね。」
小狼はそちらに向き直った。
「だから今から、私は
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<あとがきと裏話>
「東京」編は長いです。そして本編と同じく、濃い内容になると思います。
「東京」編が原作と同じ部分も結構あるのは原作で大事な所、というのもありますが、レミニスがその分でてるからです。一応二次小説の主人公?ですから。
「東京」編は長いです。そして本編と同じく、濃い内容になると思います。
「東京」編が原作と同じ部分も結構あるのは原作で大事な所、というのもありますが、レミニスがその分でてるからです。一応二次小説の主人公?ですから。
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