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プロフィール
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夕稀
性別:
女性
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着物のような服装をして、頭から薄い衣を被り、地べたに座り込んでいる少女。傷だらけで、髪の長さもまちまちだった。
それは、私だった。
少し前まで、何か色々思いを巡らせていた気がするのに、今となっては何一つ思い出せなかった。
自分が誰なのか、何処から来たのか、どうしてここにいるのかも。
けれど、私は不安すら感じていなかった。なにか諦めのような、自暴自棄的な・・・いや、心の中も空っぽになってしまったかのように、ぼんやりしていた。
「こんな夜中に、こんな場所で・・どうしたんですか?風邪を引いてしまいますよ?」
その男は何も憶えていないことが分かると自分の所に来るかと尋ねた。私は何となく、頷いてしまった。
男は突然ガバッと顔を上げた。
「怪我してるじゃないですか!」
「けが・・・」
私がぼんやり言うと、男は傷口に手を当てた。何か呪文を唱えて、魔法陣が紅く光る。気が付けば傷はなくなっていた。
男は微笑んだ。
「私は――――といいます。よろしくお願いしますね。」
木々が程良く茂る中の大きな煙突のある家。一日中、木々がさわさわと音を立てていた。
時折、あの人は鏡に映る黒い長い髪の女の人と他愛もない話をしていた。私はそれを何度となく見掛けたが、会話の中に入ることもなく、ただじっと聞いていた。
あの人は私に色々なことを教えた。魔法も基本程度のことなら出来るようになったし、ある程度の事は分かるようになっていた。
私はあの人のことを慕っていた。姫があの子に対して抱いている気持ちとは違う意味で。
あの人は私の父のような存在になりつつあった。殆ど私が喋ることもなかったけれど。
しかし私がこのパウロニアに居られたのは半年もなかった。パウロニアの雪解けすら見ることはなく、時は満ちてしまった。
あの人は私の右肩に紅い玉を埋め込んだ。
「熱っ・・!」
右肩から腕に紅い花のような紋様が伸びる。
あの人からも同じ鮮やかな紅色の血が流れ落ちていた。
「―――!!」
「その紅玉 は・・・次元移動することが、できます。そしてあの四人の連れていく、ソエルに・・ひかれます。」
「嫌・・・いや。」
あの人に頼まれたことを、受けてしまったらあの人は私から離れてしまう。そう思った。
あの人は困ったように微笑んだ。
「お願いします・・。」
血が、止まらない。私は俯いた。
「・・・分かった。」
「有り難う・・ございます。」
あの人が私の右肩に手を触れると、私の回りに紅い、あの人の魔法陣が現れた。それは私をどんどん覆っていく。
「それと、後もう一つ・・。すみません、と伝えてください。あの人に・・。これが私の望んだことです、と・・。」
私はその世界から消えてしまった。
黒鋼の血と神威の血。二人の血が交わって、そしてファイの唇を濡らした。ファイの体の中でその鼓動が強く、激しく鳴り始める。
体の造りが組み変わるその痛みに、ファイはもがき苦しんだ。
黒鋼は神威に言われて、ファイを取り押さえる。昴流は皆を部屋から出した。侑子は目を落とす。
「姫を抱えてろ。」
「ああ。」
小狼はサクラを抱きかかえ、同じくファイと同じベットに横たわっているレミニスは昴流によって抱え上げられた。
「こいつの目はどうなる。」
「吸血鬼になる前の傷は治癒しない。抉られたなら空ろなままだ。」
「吸血鬼は不老不死ではないわ。それは伝説上だけの話よ。太陽も、聖水も弱点ではない。」
神威の傷はもう治ってしまったらしかった。
「後天的な吸血鬼は少し人間より丈夫で、老化スピードが遅いだけ。ファイは元来、強力な魔力のために長命だから、それはあまり変わらない。」
侑子は黒鋼に目を移す。
「既に黒鋼、貴方の何倍も生きてるしね。・・まぁそれはレミニスも同じ事だけど。」
レミニスは昴流の腕の中で青い顔で眠っている。まだ流れた血が回復してないらしい。
「今までと違うのは、生きていく為に血を、餌の血を必要とするという事。」
「そんなことも知らずに承知したのか。魔女の取引がおまえに有利かもわからないのに。」
「あと数瞬、遅れてたらこいつは死んでただろう。それに・・」
黒鋼はモコナの方に目を向けた。
侑子が何を考えていたとしても、モコナが侑子を信用して、助けを求めたのだから、黒鋼はモコナを信じる。
そう言われて、モコナは少し顔をゆるめた。
侑子は左目を取り戻せば、ファイは吸血鬼ではなくなると付け加える。
「・・俺を試したな。」
黒鋼の肩からファイの手が滑り落ちる。ファイの深い息が聞こえる。左目の包帯は半分ほどけてしまって、汗と一緒に額を伝っていった。
ファイは白い息を吐きながら顔をゆっくり上げて、その虚ろな瞳で黒鋼を見上げた。
長い前髪の後ろからちらつく右目は既に金色に光っていた。
黒鋼はそれを哀しく見つめていた。
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それは、私だった。
少し前まで、何か色々思いを巡らせていた気がするのに、今となっては何一つ思い出せなかった。
自分が誰なのか、何処から来たのか、どうしてここにいるのかも。
けれど、私は不安すら感じていなかった。なにか諦めのような、自暴自棄的な・・・いや、心の中も空っぽになってしまったかのように、ぼんやりしていた。
「こんな夜中に、こんな場所で・・どうしたんですか?風邪を引いてしまいますよ?」
その男は何も憶えていないことが分かると自分の所に来るかと尋ねた。私は何となく、頷いてしまった。
男は突然ガバッと顔を上げた。
「怪我してるじゃないですか!」
「けが・・・」
私がぼんやり言うと、男は傷口に手を当てた。何か呪文を唱えて、魔法陣が紅く光る。気が付けば傷はなくなっていた。
男は微笑んだ。
「私は――――といいます。よろしくお願いしますね。」
木々が程良く茂る中の大きな煙突のある家。一日中、木々がさわさわと音を立てていた。
時折、あの人は鏡に映る黒い長い髪の女の人と他愛もない話をしていた。私はそれを何度となく見掛けたが、会話の中に入ることもなく、ただじっと聞いていた。
あの人は私に色々なことを教えた。魔法も基本程度のことなら出来るようになったし、ある程度の事は分かるようになっていた。
私はあの人のことを慕っていた。姫があの子に対して抱いている気持ちとは違う意味で。
あの人は私の父のような存在になりつつあった。殆ど私が喋ることもなかったけれど。
しかし私がこのパウロニアに居られたのは半年もなかった。パウロニアの雪解けすら見ることはなく、時は満ちてしまった。
あの人は私の右肩に紅い玉を埋め込んだ。
「熱っ・・!」
右肩から腕に紅い花のような紋様が伸びる。
あの人からも同じ鮮やかな紅色の血が流れ落ちていた。
「―――!!」
「その
「嫌・・・いや。」
あの人に頼まれたことを、受けてしまったらあの人は私から離れてしまう。そう思った。
あの人は困ったように微笑んだ。
「お願いします・・。」
血が、止まらない。私は俯いた。
「・・・分かった。」
「有り難う・・ございます。」
あの人が私の右肩に手を触れると、私の回りに紅い、あの人の魔法陣が現れた。それは私をどんどん覆っていく。
「それと、後もう一つ・・。すみません、と伝えてください。あの人に・・。これが私の望んだことです、と・・。」
私はその世界から消えてしまった。
*
黒鋼の血と神威の血。二人の血が交わって、そしてファイの唇を濡らした。ファイの体の中でその鼓動が強く、激しく鳴り始める。
体の造りが組み変わるその痛みに、ファイはもがき苦しんだ。
黒鋼は神威に言われて、ファイを取り押さえる。昴流は皆を部屋から出した。侑子は目を落とす。
「姫を抱えてろ。」
「ああ。」
小狼はサクラを抱きかかえ、同じくファイと同じベットに横たわっているレミニスは昴流によって抱え上げられた。
「こいつの目はどうなる。」
「吸血鬼になる前の傷は治癒しない。抉られたなら空ろなままだ。」
「吸血鬼は不老不死ではないわ。それは伝説上だけの話よ。太陽も、聖水も弱点ではない。」
神威の傷はもう治ってしまったらしかった。
「後天的な吸血鬼は少し人間より丈夫で、老化スピードが遅いだけ。ファイは元来、強力な魔力のために長命だから、それはあまり変わらない。」
侑子は黒鋼に目を移す。
「既に黒鋼、貴方の何倍も生きてるしね。・・まぁそれはレミニスも同じ事だけど。」
レミニスは昴流の腕の中で青い顔で眠っている。まだ流れた血が回復してないらしい。
「今までと違うのは、生きていく為に血を、餌の血を必要とするという事。」
「そんなことも知らずに承知したのか。魔女の取引がおまえに有利かもわからないのに。」
「あと数瞬、遅れてたらこいつは死んでただろう。それに・・」
黒鋼はモコナの方に目を向けた。
侑子が何を考えていたとしても、モコナが侑子を信用して、助けを求めたのだから、黒鋼はモコナを信じる。
そう言われて、モコナは少し顔をゆるめた。
侑子は左目を取り戻せば、ファイは吸血鬼ではなくなると付け加える。
「・・俺を試したな。」
黒鋼の肩からファイの手が滑り落ちる。ファイの深い息が聞こえる。左目の包帯は半分ほどけてしまって、汗と一緒に額を伝っていった。
ファイは白い息を吐きながら顔をゆっくり上げて、その虚ろな瞳で黒鋼を見上げた。
長い前髪の後ろからちらつく右目は既に金色に光っていた。
黒鋼はそれを哀しく見つめていた。
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レミニスは一番最初に出てきたように、Reminiseと書きます。英語で、「思い出を語る」という意味です。動詞なので、本来は名前にすべきじゃないのかもしれませんが・・。
パウロニアは確か、Pauroniaで、桐と言う意味です。特に理由はありません。木に囲まれた家の中だったので、その流れで?です。
レミニスの過去が半分・・一部?ぐらい明かされましたね。
それにしても、ようやく、レミニスが黒鋼より年上という設定が出せました・・。割と最初の方からあったんですが、どうしても出す機会がなくて・・・;
レミニス編の方は基本的に原作と同じ部分はあまり書かない形でいってたんですが、ファイが吸血鬼になる辺りはなんとなくあった方がいいかなと思って、載せています。
文才がないので、どうしても原作を読んだときの雰囲気は出せませんでしたが・・。申し訳ないとしか言いようがありません。
レミニスは一番最初に出てきたように、Reminiseと書きます。英語で、「思い出を語る」という意味です。動詞なので、本来は名前にすべきじゃないのかもしれませんが・・。
パウロニアは確か、Pauroniaで、桐と言う意味です。特に理由はありません。木に囲まれた家の中だったので、その流れで?です。
レミニスの過去が半分・・一部?ぐらい明かされましたね。
それにしても、ようやく、レミニスが黒鋼より年上という設定が出せました・・。割と最初の方からあったんですが、どうしても出す機会がなくて・・・;
レミニス編の方は基本的に原作と同じ部分はあまり書かない形でいってたんですが、ファイが吸血鬼になる辺りはなんとなくあった方がいいかなと思って、載せています。
文才がないので、どうしても原作を読んだときの雰囲気は出せませんでしたが・・。申し訳ないとしか言いようがありません。
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