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  <title>小さな本棚</title>
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  <description>管理人の受験が終わったら、リニューアル（ブログじゃない）を予定してます。</description>
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    <item>
    <title>セレス３</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
「「忘れるな、おまえは我が一手だ。」」<br />
<br />
ファイを縛るすべてのものが、許せなかった。<br />
<br />
それを止めたかっただけ。<br />
あれを壊してしまいたかっただけ。<br />
<br />
<br />
<strong><font size="2"><br />
セレス国　　第三話</font></strong><br />
<br />
<br />
ファイの指から伸びた光を、真路は殆ど反射反応で斬った。それでいったん真路の足が止まる。<br />
「なんで・・・・」<br />
抱えられた小さな子供は動かない。既に死んでしまった、その幻は、声を発することもない。<br />
<br />
なのに、どうしてそんなに大切そうに抱えている・・・・。<br />
<br />
「ファイ・・・」<br />
今まで呼んでいたその名前すら、ファイのものではなかった。<br />
<br />
ファイは腕の中のファイに縛られているのに、それでもファイは手放したりしない。<br />
もし手放すようなら、私はきっと、ファイのことをこんなにも想ったりしない。<br />
それがファイの優しさなんだって、知っているのに許せなかった。<br />
<br />
<br />
ファイは、それらを選んで、私は選ばないんだ。<br />
<br />
それが凄く悔しい、凄く悲しい。<br />
真路は片手で強く目をこすった。赤くすり切れた頬が、顔が、ファイに向けられている。真路は手に力を入れて、真っ直ぐ、刃先を向けた。<br />
<br />
<br />
二人が攻撃を仕掛けてるのは同時だった。<br />
<br />
「やめろ！！！」<br />
<br />
<br />
<center>＊</center><br />
<br />
頭は冴えわたっていた。<br />
一点の曇りもなく、一点の迷いもない。<br />
<br />
<br />
真路はファイの魔法を必要最低限度だけ斬って防ぎ、後はよける。<br />
魔法の威力は想像以上で、斬るたびに腕がジンジンする。<br />
<br />
少し顔をしかめながら、歯をぐっと噛みしめる。<br />
真路はスピードを上げて、走り出す。魔法が多少掠るのは気にしない。<br />
まっすぐファイへ突進する。<br />
<br />
ファイは手をいったん引いて、短く切るように指を動かす。それは小さなブーメランみたいに縦横無尽に飛び交って、真路を追い込んだ。<br />
真路は身をかがめて、刀を地面と平行に、弧を描く。<br />
<br />
互いによけたものの、魔法は真路の頬をかすり、刀はファイの足をかすった。<br />
<br />
ぎり、と奥歯を噛みしめた。<br />
<br />
ファイはもっと力を込めて、巨大な玉を創る。<br />
真路に考える隙は与えなかった。その上大きすぎて、逃げられない。<br />
<br />
真路は刀で急所は避けたものの、吹き飛ばされて柱に体を強くぶつける。<br />
「小娘！！」<br />
地面に手をついて、大儀そうに体を持ち上げる。<br />
<br />
スパン・・・・<br />
真路のぶつかった柱が真っ二つになった。真路の刀がキラリと光っている。<br />
「・・・・・。」<br />
<br />
ゆっくり顔を上げ、ファイをぎっ、と睨み付ける。黒鋼さえも一瞬、真路を恐ろしく感じさせた。<br />
カツッ、と一つの音をさせただけで、地面の上を滑るように、走り出す。真路の太刀筋は勢いよく、研ぎ澄まされていく。<br />
ファイの手を刀がかすった。<br />
<br />
<br />
「やめろ！！！」<br />
<br />
黒鋼の声が迫ってくる。<br />
けれどもそんな音は聞こえない。ファイしか見えない。<br />
<br />
『好き』が裏返ったような気持ちが心を満たして、刀を動かすことしか考えられない。<br />
<br />
<br />
全てを消してしまいたい、全てを壊してしまいたい。<br />
<br />
狂ったように無我夢中で刀を振るった。<br />
黒鋼は真路の刀を蒼氷で受けたが、突き放され、その瞬間に腕を斬られる。<br />
瞬時に腕を引いたが、袖は半分斬られ、腕からはかすかに血が出ている。もし腕を引っ込めなければ、切り落とされていただろう。<br />
<br />
真路は黒鋼をすり抜け、再びファイに斬りかかる。<br />
いきなり間合いを詰められて、ファイは殆ど指で刀を受けるような形になる。<br />
<br />
ファイの指先と、真路の刀との距離は数十センチ程しかない。<br />
刀が軋んでいる。指が震えている。<br />
<br />
<br />
ファイと真路の目があった。<br />
<br />
<ruby><rb></rb>同調<rp>＜</rp><rt>シンクロ</rt><rp>＞</rp></ruby>するように、二人の中で旅の記憶がはじけた。<br />
<br />]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・真路編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E7%9C%9F%E8%B7%AF%E7%B7%A8/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%EF%BC%93_176</link>
    <pubDate>Thu, 13 Dec 2007 15:56:08 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/176</guid>
  </item>
    <item>
    <title>セレス３</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
息が白く吐き出される。御巫は目を伏せたまま、うなだれていた。<br />
見えているのは本家の床。<br />
<br />
「・・・・まだ・・・か。」<br />
<br />
この場所には何も無い。<br />
外の光で障子が格子のように映っている。<br />
<br />
彼女はぐったりと障子に寄りかかる。<br />
顔に障子に触れたところがシュー、と音を立てて灼けるのは全く気にしてないようだった。<br />
<br />
「・・・・・・・・・疲れた。」<br />
<br />
この格子の向こう側には葉のない彼岸花が咲き誇っているだろう。<br />
<br />
誰かがそれを一輪、わたしに差し出す。<br />
わたしはそれを受け取って、その根に口を付ける。<br />
<br />
<br />
<br />
<font size="2"><strong>セレス国　　第三話　繋がる夢</strong><br />
</font><br />
<br />
カツッ、と音をさせた。<br />
黒鋼は睨む。ファイの魔法で刀を出し、抜いた。<br />
<br />
「死ねない。」<br />
<br />
ファイは言った。<br />
「ファイを、生き返らせるまでは。この名を、命を、返すまでは。」<br />
<br />
「では、殺さなければならない、ね。彼を。」<br />
手は震える。<br />
こちらに向けられた黒鋼の視線が、自分を貫く。<br />
ファイはその手に力を入れた。<br />
<br />
「殺す。」<br />
ファイが魔法を使って、黒鋼は刀を振り下ろす。<br />
魔法は黒鋼に届く前にかき消された。ファイの過去の残像と共に、黒鋼の刀に貫かれた。<br />
<br />
「茶番はいい加減にしろよ。」<br />
<br />
<br />
過去の残像は壊れて、欠片となって辺りに飛び散る。<br />
その一つ一つにファイの思い出が動いている。<br />
<br />
<p>&nbsp;</p>
<center>＊</center><br />
<br />
ヴァレリアの谷にいた子供は、気がつけば何もない暗闇の中にいた。<br />
「これは・・・夢？」<br />
<br />
「そうよ。」<br />
返答があるとは思っていなかったので驚いて振り返る。<br />
声の主は小さな女の子だった。<br />
しかしこちらからは姿が見えない。取っ手のない大きな障子がそびえ立っていて、女の子の影だけがうっすらと写し出されている。<br />
<br />
「そうか・・・・」<br />
少女は首を傾げたようだった。<br />
「・・『ただの夢』だと思ってる？」<br />
「え・・・？」<br />
「幻とはちがう。でも幻だったとしても、ほんとうである意味がどこにあるの？」<br />
彼女の言う意味がよくわからず、今度は彼が首を傾げた。<br />
<br />
「・・これは、夢じゃないの？」<br />
「いいえ、『夢』という場所。<br />
　ここに沢山の人たちが訪れる。そしてときどきわたしと貴方みたいにまったくちがう場所にいる人たちが出逢う場所。」<br />
<br />
「君は、どうしてそんなところにいるの？」<br />
女の子は少し考えて、それから障子に近づいたらしく、影が小さくはっきりと映る。<br />
障子に手が添えられた。<br />
「前はここじゃないところにいたの。そこでみんなに『夢』を見せてたの、うその『夢』だけど。」<br />
<br />
障子の向こうに光はひとつもない。<br />
それなのに白い障子に彼女の影が映し出されている。<br />
<br />
「だけどもう、『夢』はみせられない。」<br />
女の子は視線を落としたようだった。<br />
<br />
「だから、ここにいるの。」<br />
そうして視線を上げる。<br />
<br />
「ここでずっと、待ってるの。」<br />
<br />
「・・何を？」<br />
<br />
<br />
「死ぬのを。」<br />
<br />
ひとひらの花びらが舞う。<br />
<br />
細くて赤い花びら。気づけばこの回りには葉のない赤い花が並んでいる。<br />
ユゥイは何か言おうとした。<br />
しかし伝えようとしたことは言葉にはならず、またどう表現したらいいのかもわからなかった。<br />
それはただ、口を開いて、閉じただけの動作になった。<br />
<br />
<br />
突然、少女との間にある障子が横に揺れ、歪み始めた。<br />
彼女がどこかへ行ってしまうのか、自分がこの世界から消えかかっているのかはわからない。<br />
<br />
「目を、さますみたいね。」<br />
<br />
「待って・・！名前、聞いてもいい？」<br />
「・・・どうして？」<br />
ユゥイは夢から排除されまいと必死に目を凝らす。<br />
<br />
「また、逢いたいから。」<br />
彼女は小さく、「え？」と言った。<br />
「・・・駄目？」<br />
「・・・・。」<br />
少女の影は少しの間考えて、それから口を開けた。<br />
<br />
「御巫　あ・・」<br />
<br />
その欠片は地面にぶつかって砕け、さらに小さくなる。御巫の言葉の途中はその音で掻き消されてしまった。<br />
<br />
「みかなぎ？」<br />
「それは苗字。なまえは下にくるの。」<br />
世界が無数の花びらとなって、それがユゥイの目をふさぐ。飲み込まれる。<br />
<br />
「また・・・・逢える？」<br />
「・・・わから・・・い。でも・・・・・・・・」<br />
彼女の言葉もとぎれ始めた。<br />
<br />
「ありがとう。」<br />
<br />
<p><br />
</p>
<center>＊</center><br />
<br />
誰もいない。<br />
何もない。<br />
<br />
この場所には何も無い。<br />
外の光で障子が格子のように映っている。<br />
<br />
この格子の向こう側には赤い細い花びらをつけて、葉のない彼岸花が咲き誇っているだろう。<br />
<br />
誰かがそれを一輪、わたしに差し出す。<br />
わたしはそれを受け取って、その根に口を付ける。<br />
<br />
<p>&nbsp;</p>]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・レミニス編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B9%E7%B7%A8/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%EF%BC%93_172</link>
    <pubDate>Mon, 10 Dec 2007 13:46:54 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>あじさい3</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
<strong><font size="2">死者と生者ノ章　　第三話　雨宿り</font></strong><br />
<br />
<br />
ブロロロロ・・・とドライヤーの風が漓氷に当てられ、漓氷はぎゅっと目をつぶった。<br />
「あの、わたしはべつに・・・・」<br />
漓氷の言葉はまったく無視でドライヤーは動かされる。<br />
「それにわたし・・・ドライヤーにがて・・・なんですけど・・・」<br />
「けど、乾かさんと風邪引いてしまうで？」<br />
<br />
蛍はそれを耳の端で聞きつつ、お盆を片手に襖を開けた。<br />
――――漓氷は風邪引きません。『人間』じゃないから。<br />
さっきの話、私に聞こえていたのだから隣にいた蓮が聞こえなかった筈がない。まぁ、人間じゃないからといって、彼がびしょ濡れのまま放っておく訳ないけど。<br />
<br />
でも、『人間』じゃない、というと、あの黒いお饅頭みたいな未確認生命体と同じ、ということなんだろうか。<br />
<br />
蛍が緑茶をお盆に乗せ、運んできた。<br />
いつもの癖なのか、四月一日が真っ先に立ち上がって、みんなに配るのを手伝おうとする。<br />
しかし蛍に<br />
「それぐらい一人で出来るわよ。一応客なら客らしく座ってなさい。」<br />
と言われ、その場に座った。<br />
<br />
「それにしても、<ruby><rb></rb>集真<rp>＜</rp><rt>あづさ</rt><rp>＞</rp></ruby>神社っておまえの家の神社だったんだな。」<br />
百目鬼は蛍からお茶を受け取る。<br />
「この辺じゃ有名な神社だし、何度か来たことあるけど、本当に大きな神社だね。」<br />
そう言って見た外には紫陽花の花が沢山咲いている。<br />
<br />
「たいしたことないわよ。こんなの見かけ倒しだし。」<br />
蛍は漓氷にお茶を差し出したが、漓氷は強く目をつぶったまま、話を聞いているだけで精一杯のようだったので、そのままお盆ごと前に置く。<br />
「大きいだけで、もう何の力もないよ。最近じゃ、神社になんて合格祈願とか、七五三とか、初詣ぐらいでしか来ないでしょ？&nbsp;<br />
　教会で結婚式、七五三やって、クリスマスやって、お葬式は仏教式ってくらいだから。殆どの人は信念も何もあったもんじゃないし。」<br />
ようやくドライヤーの音が止まって、漓氷はそっと顔を上げる。<br />
<br />
「悪く言えば信仰心がないっちゅうことかもしれんけど。<br />
　ま、宗教は心のよりどころやさかい、人を支える筈の宗教で人が死ぬよりはええんちゃうかな。」<br />
乾かし終わったらしく、漓氷の肩を優しく叩いた。よく我慢した、という意味らしい。<br />
蓮はちょうど百目鬼と目があって、苦笑いする。<br />
「・・・って、寺の関係者の俺がゆうたらあかんかな？」<br />
<br />
「あの・・・」<br />
「何？」<br />
漓氷が言いづらそうに、口を挟む。<br />
「さっきからおもってたんですけど、神社ってなんですか？」<br />
<br />
３秒間くらいの間が空いた。<br />
「・・・え？」<br />
<br />
<br />
「神社・・・・・って、なんですか？」<br />
<br />]]>
    </description>
    <category>ホリック連載</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E9%80%A3%E8%BC%89/%E3%81%82%E3%81%98%E3%81%95%E3%81%843</link>
    <pubDate>Tue, 04 Dec 2007 15:09:22 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/174</guid>
  </item>
    <item>
    <title>あじさい</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
「雨、止まないな。」<br />
<br />
一向に止む気配すらない雨雲を見上げて、溜息をついた。<br />
<br />
雨の中、傘も差さずに袋を抱えている女の子の姿が見えた。<br />
雨は朝から降っているし、そもそもその子は傘を手に持っているのに、差していない。<br />
<br />
四月一日はどうしたんだろう、と思ってよく見てみると、それは漓氷だった。<br />
<br />
<br />
<strong><font size="2">死者と生者ノ章　　第二話</font></strong><br />
<br />
<br />
漓氷は公園の前で立ち止まった。買い物袋を手に提げたまま、吸い込まれるようにあじさいに目をやる。<br />
大きな紫陽花だった。<br />
<br />
「あづさい・・・・」<br />
<br />
「え？」<br />
四月一日ははっ、として自分の傘に漓氷を入れようと、手を伸ばす。<br />
「・・っていうか、漓氷ちゃんずぶ濡れ・・・っ！なんで傘持ってるのに差してないの？」<br />
<br />
「かさ、ぬれちゃいますから。」<br />
漓氷は四月一日に気がついて、そちらに向き直る。持っている傘は漓氷の腕にぎゅっと握りしめられていた。<br />
「いや、傘って濡れるためにあるんだけど・・・」<br />
四月一日は自分の傘に漓氷を入れる。<br />
<br />
「ヒタムキ」<br />
すっかり意味が変わっているが、どうやら四月一日のことらしい。<br />
四月一日は返事をしようか、ツッコミを入れようかと迷っていると、漓氷はまっすぐ紫陽花を指差した。<br />
公園に咲き誇る赤い紫陽花だった。<br />
「あれ、あづさい・・・？」<br />
「いや、あれは・・・」<br />
<br />
「<ruby><rb></rb>集真藍<rp>＜</rp><rt>あづさい</rt><rp>＞</rp></ruby>」<br />
後ろからにゅっと百目鬼が顔を出した。<br />
<br />
「・・・って、昔は呼ばれてたらしいな。」<br />
唐突に顔を出したことで、四月一日が「なんでおまえはいっつも唐突なんだよ！！」と怒っている。<br />
<br />
「いまは、ちがうんですか？」<br />
「今は紫陽花、だな。」<br />
<br />
四月一日はハンカチを出して、漓氷の顔から順に濡れた体を拭く。<br />
「よごれますよ？カワムキ」<br />
「漓氷ちゃんが風邪引いちゃう方が大変だよ。」<br />
漓氷は冷たい手で四月一日の手を取って、拭くのをとめた。<br />
<br />
「漓氷は風邪引きません。『人間』じゃないから。」<br />
<br />
四月一日はどう反応して良いのか、という様子で首を傾げる。<br />
「え？それって・・・・」<br />
「あ。あれ、四月一日君とちゃうか？」<br />
蓮の声に、四月一日の声は掻き消された。<br />
<br />
「蓮さん？蛍ちゃん？」<br />
面倒くさそうに蓮に連れ添っていた蛍は不服そうにする。<br />
「なんで蓮が『さん』付けで、私が『ちゃん』付けなのよ。」<br />
「え？いや、だって・・・蓮さんは年上だけど、蛍ちゃんは・・」<br />
同い年くらいに見えたのだが、もしかしたらそう見えるだけで、実際は年上だったのだろうか。<br />
もしそうだとしたらそれ以上言うのは失礼になる。<br />
四月一日はそれ以上は言わなかった。<br />
<br />
「そうだけど！どうなんだけど、私は蓮とは幼なじみみたいなものなの！そんなに歳も変わらないじゃない！」<br />
なんでそのくらいのことでこんなに怒っているのか分からないが、とりあえず四月一日は謝った。<br />
すると蓮が横から「あはは、」と笑う。<br />
<br />
「そんな気にせんでええよ。蛍と俺はずっと一緒におったさかい、なんか別にされると蛍が怒るんはいつものことやから。」<br />
片手をひらひらさせながら言う。<br />
蛍は顔をしかめたまま、蓮に目をやった。<br />
<br />
まったく、なんでそんなに鈍感なんだか・・・<br />
<br />
それを百目鬼が横目でちらりと見て、視線を戻した。<br />
「そ・・そうなんですか。」<br />
「せやから、俺のことは『蓮』でええ。蛍の事も『蛍』って呼んでやってくれな。」<br />
「それなんか、蓮が私の両親みたいな言い方・・・」<br />
蛍はやめてほしい、という意味を込めて言ったのに、蓮には全く通じていないようだった。<br />
いつものようにあはは、と微笑む。<br />
<br />
「っていうか、漓氷ちゃんえらいびしょ濡れやないか？ここからなら蛍の家の神社が近いさかい、来るか？」<br />
「え？いいんですか？」<br />
四月一日が答える。<br />
「なんでツタムキが答えるんですか？」<br />
「っていうか、うちの神社と蓮の寺すぐ傍なんだけど。なんでうちなのよ？しかもなんで勝手に決めてんのよ？」<br />
不服そうに蓮に抗議したが、全く聞き入れてくれない。<br />
漓氷は「でも・・」と言いかけたが、蓮は漓氷の頭をぽんぽんと叩いた。<br />
<br />
「ええから、ええから。せっかく縁ができた仲やないか。袖振り合うも多生の縁ゆうやろ？<br />
体拭くついでにゆっくりしてったらええ。」<br />
<br />
<br />
<center>＊</center><br />

<br />
侑子は宝物庫で鏡を手に取り、誰かと通信していたが、相手の術が途切れたらしく、鏡にはもう何も映っていない。<br />
ふと視線を移す。<br />
その先には指輪が置かれている。よく見ると、月や水の模様の彫刻が細部まで施されている。<br />
<br />
モコナは侑子の肩に飛び乗った。<br />
「レミニスは、漓氷に『漓氷』って名前を付けた。でも、レミニスは漓氷のこと知ってるのか？」<br />
「いいえ・・・・」<br />
――――――これはすべて私が起こしたこと。だから・・・・全て諦めます。<br />
<br />
「きっと、知らないわ。」<br />
<br />
あの裏側で、何が起こっていたのか。<br />
・・・・・・誰が何を捨て、何を決意していたのか。<br />
<br />
そしてそれは、漓氷も知らない。<br />
<br />
</p>]]>
    </description>
    <category>ホリック連載</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E9%80%A3%E8%BC%89/%E3%81%82%E3%81%98%E3%81%95%E3%81%84</link>
    <pubDate>Fri, 30 Nov 2007 06:54:27 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/173</guid>
  </item>
    <item>
    <title>セレス３</title>
    <description>
    <![CDATA[ファイは魔法で沢山の鳥を出す。よけてもよけても、真路を追いかけてくる。<br />
黒鋼が刀を出して、応戦しようとするのが見える。<br />
「来るな！」<br />
<br />
<br />
<br />
約束と、その願いを叶えるために。<br />
叶えるためには、どんなこともするって、誓った筈なのに、<br />]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・真路編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E7%9C%9F%E8%B7%AF%E7%B7%A8/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%EF%BC%93</link>
    <pubDate>Wed, 28 Nov 2007 01:34:27 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/168</guid>
  </item>
    <item>
    <title>無題</title>
    <description>
    <![CDATA[「・・・・当主様。さっきのお話は本当ですか・・？」<br />
「ああ。」<br />
「でも、わたしは・・・」<br />
口にしようとした言葉を躊躇い、少し考えて別の言葉にした。<br />
<br />
「・・・・自信がありません。」<br />
男は「そうか。」と言った。<br />
「だが、先代はもう力を失っている。再就任は無理だ。」<br />
<br />
レミニスはますます居心地が悪くなって、目を伏せた。<br />
「わたしが・・・期待して貰ってるのは知ってます。町の方達もわたしを応援してくれてるって・・。だけど・・・」<br />
「<ruby><rb></rb>神官<rt><strong>・・</strong></rt></ruby>、上に立つ者は期待される。そしてそれに応える義務がある。」<br />
「・・・当主様。昨日、夢見があって・・・・わたしは、近い内、]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・レミニス編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B9%E7%B7%A8/%E7%84%A1%E9%A1%8C</link>
    <pubDate>Thu, 22 Nov 2007 14:31:01 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/170</guid>
  </item>
    <item>
    <title>セレス国２</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
「君は選んだんだろう、あの時。」<br />
<br />
<br />
<br />
<strong>セレス国　　第二話<br />
</strong><br />
<br />
「「そして、おまえには旅に出てもらう。様々な世界を渡る旅に。<br />
　　砂漠の姫と、こちらが用意した写身と共に。　我が一手として。」」<br />
<br />
「それが・・・やらなきゃならないこと・・・？」<br />
「そうだ。だが正確には後もう一人、伊都国の夢見がいる。この者には後から旅に合流して貰う。」<br />
「後から・・・？」<br />
「夢見の中にある『心の記憶』には次元の記憶が集まりにくい。その為に、より多くの世界を渡る必要がある。」<br />
<br />
黒鋼の手から小狼とモコナが離れ、床に倒れた。<br />
<br />
「姫と夢見を守り、旅を続けろ。」<br />
<br />
鋭い目が、ファイの方へと注がれている。ファイは蛇に睨まれた蛙のように、動けなかった。<br />
黒鋼の足音は、近づいてくる。<br />
<br />
<br />
<center>＊</center><br />
<br />
レミニスは深い深い闇の中へと落ちていく。<br />
同時にレミニス自身も『レミニス』からそうではない誰かに変わっていく。<br />
<br />
背は小さくなって、髪はみるみる伸び、丈の長い着物を羽織っていた・・・<br />
<br />
<br />
真っ暗で何もない空間の中に、大きな桜の木が立っている。桜の花びらが舞う中に、サクラが一人、佇んでいる。その空間は広く、何処までも続いていて、終わりが見えない。<br />
<br />
突然、声が聞こえた。か細く、なんと言っているのかはわからない。<br />
サクラはそちらを振り返った。<br />
<br />
「・・レミニスちゃん・・・！？」<br />
子供の姿をして、髪も地面に着くほど長く、着物を着ている。雰囲気もまるで違っていた。<br />
今のレミニスからは、同一人物とは到底想像できなかったが、何となく、それがレミニスだという確信があった。<br />
<br />
レミニスは何かぶつぶつと呟いている。<br />
「・・・が・・・・したから・・・・・」<br />
<br />
サクラはレミニスに走り寄る。<br />
「・・・外した・・・・から・・」<br />
<br />
「レミニスちゃん！」<br />
「無く・・・・たいと・・・思・・・・ってしまったから・・・・」<br />
<br />
「レミニスちゃん！！」<br />
<br />
<br />
<center>＊</center><br />
<br />
しんと静まりかえった。<br />
その原因がその子供にあるということは幼い彼女にも明白だった。<br />
<br />
べつにわるいことをしてるんじゃないんだ、と思うが何だか恥ずかしい気分になる。<br />
でもこの場にいるのは城の人達だけではないから、後で咎められないように、堂々と前を向いて歩く。代わりに目だけを伏せて、過ぎゆく人達の視線は見ない。気づかない、ことにした。<br />
<br />
彼女は王の前で最敬礼をした。<br />
「話には聞いていたが・・・驚いた。当代の神官は十にも見たぬ子供か。」<br />
「・・神官は魔術等に因り、国を『守る者』ですので魔術に歳は関係無いと・・わたしは思っております。」<br />
「まぁ、確かにな。」<br />
王はす、と顔を上げた。<br />
「では慣例通り、その神官としての力を示せ。それを以て、おまえを神官と認める。」<br />
<br />
彼女は王に一瞥して、それからそっと立ち上がった。<br />
改めて一礼し、手を組む。<br />
「「<ruby><rb></rb>我が名に於いて、此の西の地を守りし水天に帰命し奉る。<rp>＜</rp><rt>ナウマク・サンマンダ・ボダナン・バルナヤ・ソワカ</rt><rp>＞</rp></ruby><ruby>この地に水を降らせ給ひ、青々なる草木を茂らせ、実りをもたらし給へ<rp>＜</rp><rt>タニヤタ・ウタカダイバナ・エンケイエンケイ・ソワカ</rt><rp>＞</rp></ruby>」」<br />
<br />
ぽつり、ぽつりと雨の滴が土を湿らせた。<br />
やがてその間隔は狭くなって、ついにはざああ、と音を立て始める。<br />
「・・・雨だ。」<br />
誰かがぽつりと言った。雨乞いは定番だが、ここでそれをしてみせれば、その地位を認められる。<br />
<br />
本当は、雨じゃない。<br />
これはただの水。<br />
<br />
歴代の神官は皆、こうやって『雨乞い』をする。皆の目を誤魔化してきた事実は、この永きに渡って、まかり通ってきている。<br />
天までもを操れるという見栄と、その名誉の為に。<br />
<br />
少女は手でそれを受け止めた。手に溜まる前に指の間からすり抜けて、水は落ちてしまう。<br />
握っても、手に入らないものにそれ程の意味はあるんだろうか？<br />
水は地を潤す、それがたとえ雨でなくても。ならば、それは『雨乞い』でなくてもいい筈なのに。<br />
<br />
儀式に立ち会った人達からざわめきが起こっている。こんな子供が、もうそんな力を持っているのかという驚きからだろう。<br />
わたしを見る目が、驚きと、懼れを強くする。<br />
<br />
少女が王の前から下がると城の人達の中に混じって、当主の姿が見えた。視線だけがかろうじて送れるだけのその場所から、こくこくと頷いていた。<br />
後ろめたくて、それなのに堂々と人前でそれをやってのけた自分自身は罪悪感でいっぱいだった。<br />
<br />
偽物の雨の中で、少女は大人みたいにすましていた。<br />
<br />
<br />
<br />
彼女は目を覚ます。<br />
目を開けてすぐに飛び込んできたのは城の天井ではなくて、まだ生まれ育った町の、本家のものだった。<br />
「<ruby><rb></rb>御巫<rp>＜</rp><rt>みかなぎ</rt><rp>＞</rp></ruby>様、もうお目覚めでしたか。」<br />
「はい。たまたま早く目が覚め・・・いえ、偶然なんてない、必然でした。」<br />
<br />
「・・・はい？」<br />
御巫と呼ばれたその子供は首を振った。<br />
「なんでもありません。・・・イズミさん」<br />
「はい？」<br />
<br />
「・・・わたし、はやく大人になりたいです。」<br />
「え？どうしたんですか？いきなり。」<br />
<br />
期待されてるんだと知っていた。期待には応えなきゃいけないんだと、わかっていた。<br />
<br />
だから、平気で嘘がつけるようになりたい。<br />
今のすべてがしょうがないことなんだって、解りたい。<br />
夢で視たどんな未来も受け止めて、２度目のできごとも、ちゃんと乗り越えたい。<br />
<br />
歴代最年少なんかじゃなくてもいいから、大人で在りたい。<br />
<br />
<br />
御巫は静まりかえった人達の前を、歩く。背筋を伸ばして、真っ直ぐ前を見て。<br />
堂々と歩く。<br />
<br />
わたしはここで、ずっとこんな雰囲気の中で過ごす。<br />
それに、わたしがみんなの期待に応えていられるのはほんの何年かしかない。<br />
それはわかっていたけれど、まだ本当にはなってないのだから、知らなかったことにしていてもいいと思った。今は、ここでの暮らしが始まる今日くらいはせめて、そんなことは考えていたくなかった。<br />
<br />
彼女は王の前で最敬礼をした。<br />
「話には聞いていたが・・・驚いた。当代の神官は十にも見たぬ子供か。」<br />
「・・神官は魔術等に因り、国を『守る者』ですので魔術に歳は関係無いと・・わたしは思っております。」<br />
「まぁ、確かにな。」<br />
王はす、と顔を上げた。<br />
「では慣例通り、その神官としての力を示せ。それを以て、おまえを神官と認める。」<br />
<br />
御巫は王に一瞥して、それからそっと立ち上がった。<br />
手を組み、虚実の雨を降らす。<br />
辺りは少しざわめき、遠くに見えた当主は満足気に頷いている。<br />
<br />
喜んで貰っている、それは嬉しかった。<br />
だから、ほんとうかどうかなんて、どうでもいい。欺瞞かもしれないけど、それでもいい。<br />
<br />
異国にはいるという『手品師』と同じだ。<br />
みんなは騙されているのだとわかっているけれど、それでも喜ぶ。<br />
そのために、みんなを騙す。<br />
<br />
『夢』を、見せているんだとおもう。<br />
<br />
<br />
―――――・・偽物の雨の中で、少女は大人みたいにすましていた。<br />
<br />]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・レミニス編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B9%E7%B7%A8/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%E5%9B%BD%EF%BC%92_169</link>
    <pubDate>Wed, 21 Nov 2007 06:38:31 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>セレス国２</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
<br />
「「そして、おまえには旅に出てもらう。様々な世界を渡る旅に。<br />
　　砂漠の姫と、こちらが用意した写身と共に。　我が一手として。」」<br />
<br />
<br />
<br />
<strong>極北の国　　第二話　宣戦布告</strong><br />
<br />
<br />
「迎えに来るのはその二人・・・・？」<br />
「違う。もう一人、共に旅立たせようとしていた者がいたが、魔女に先んじられた。」<br />
「魔女・・・・・？」<br />
「強大な力を持ち、おまえの願いの妨げにもなる者だ。<br />
　あの日本国の若造と出会うことがあれば、それは魔女の一手となるだろう。」<br />
次元の裂け目の向こう側は黒く淀み、歪んで見える。<br />
<br />
「だが、もう少し経てば、極東国の小娘は我が手中に入る。おまえと共に旅立たせることは出来ないが、旅をする頃には我が一手となっているだろう。」<br />
<br />
ヴァレリアの雪はやまない。<br />
狭く見えていたその場所は限りない銀世界だった。<br />
しかし、今の彼には黒く血塗られている。冷たい雪は氷のように鋭く、刺すようだった。<br />
<br />
裂け目の向こう側から微かな光のようなものが見えていた。<br />
希望と呼べるものではない。言うなれば、『可能性』だ。<br />
それはこの雪のようにふわふわして、幻みたいなものだが、それでも彼には必要なものだった。<br />
<br />
「旅を続ける妨げになるものは全て排除しろ。」<br />
「殺す・・・・の？」<br />
「自分を選んで双子の片割れを殺したおまえが他人を殺すのに何の躊躇がある。」<br />
<br />
真路はぎゅっと手を握りしめた。<br />
「・・・・・て。」<br />
<br />
「忘れるな。」<br />
<br />
「やめて・・・・」<br />
<br />
「おまえは我が一手だ。願いが叶うまで。そして、もう一つの呪いが解けるまで。」<br />
<br />
<br />
「やめて！！！」<br />
真路は刀を出した。その後ろで小狼とモコナが倒れる。<br />
カタカタ揺れる真路の刃先と、うるんだ瞳がこちらを見ていた。<br />
恐怖のような感情がファイの顔を覆っている。<br />
<br />
真路は思いっきり地面を蹴って前へ出る。ファイと刀の距離はぐんと縮まった。<br />
時間の流れが変わったかのように、真路の動きがゆっくり流れていく。<br />
<br />
「死ねない・・・・まだ、死ねない。」<br />
そう思うのに、躯は思うように動かなかった。<br />
<br />
魔力が暴走する中で、こちらに必死で手を伸ばす真路の姿。ぼんやりとしか覚えてないけれど、それが頭から離れない。<br />
今までの旅の中での記憶が、ファイの裾を強く引っ張っているようだった。<br />
<br />
体の力が抜けて、手を下ろそうとした時、ふと抱えていたもう一人のファイに目がとまった。ファイは震える手にもう一度力を入れる。<br />
「・・・この名を、命を」<br />
ファイは裾を掴んでいた何かを振り払うようにして、その手をゆっくりと真路に向ける。<br />
<br />
「返すまでは。」<br />
<br />
<br />
ファイの指から伸びた光を、真路は殆ど反射反応で斬った。そのことでいったん真路の足が止まる。<br />
「なんで・・・・」<br />
抱えられた小さな子供は動かない。既に死んでしまった、その幻は、声を発することもない。<br />
なのに、どうしてそんなに大切そうに抱えている・・・・。<br />
<br />
「ファイ・・・」<br />
今まで呼んでいたその名前すら、ファイのものではなかった。<br />
<br />
ファイは腕の中のファイに縛られているのに、それでもファイは手放したりしない。<br />
もし手放すようなら、私はきっと、ファイのことをこんなにも想ったりしない。<br />
それがファイの優しさなんだって、知っているのに許せなかった。<br />
<br />
真路は片手で強く目をこすった。赤くすり切れた頬が、顔が、ファイに向けられている。<br />
真路は手に力を入れて、真っ直ぐ、刃先を向けた。<br />
斬るためではない。<br />
<br />
<br />
戦う、その宣言だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・真路編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E7%9C%9F%E8%B7%AF%E7%B7%A8/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%E5%9B%BD%EF%BC%92</link>
    <pubDate>Tue, 20 Nov 2007 05:28:37 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>短編案　キノ</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
<br />
<strong>短編　　</strong><br />
<br />
<br />
「君は何のために旅をしているの？」<br />
<br />
聞かれた私は答えられなかった。<br />
後で考えれば、私は願いを叶えるために旅をしていると答えていた筈なのに、ちゃんと言葉が出てこなかったということは、それは私の本当の目的ではなかったのかもしれない。<br />
<br />
代わりに彼に聞き返す。<br />
<br />
「あなたは何のために旅をしてるのよ？」<br />
<br />
「俺は<br />
<br />
「英雄は多くの人の為に死ななければ英雄とは呼べない。すべての幸福は何かの犠牲の上にやってくる。<br />
　幸せは不幸と隣り合わせだから。<br />
　こんな矛盾だらけの世界の中で、間違いのない『事実』なんて、探せない。探そうとも思わない。」<br />
　<br />
<br />
<br />
<br />]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・レミニス編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B9%E7%B7%A8/%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E6%A1%88%E3%80%80%E3%82%AD%E3%83%8E</link>
    <pubDate>Sun, 04 Nov 2007 05:04:17 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">ototokakera.blog.shinobi.jp://entry/166</guid>
  </item>
    <item>
    <title>短編　東京後</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
短編<br />
<br />
<br />
「レミニス、もう大丈夫なの？」<br />
「ええ。さすがに力も戻ってきたしね。」<br />
レミニスは二本の棒を器用に動かしながら、編み物を作っていた。<br />
「私が誰かに魔力をあげないかぎりは必ず戻るから。それ以上強くはならないけどね。」<br />
そう付け加えたが、モコナの耳には届かなかった<br />
<br />
<br />
「みんな大丈夫かな・・・。」<br />
モコナがいきなりぽつりと言った。<br />
<br />
「・・・この国は比較的平和な国だと思うけど？」<br />
「そうじゃないの。小狼とはバラバラになっちゃったし、サクラ『小狼』と全然喋らないし、黒鋼とファイも・・・」<br />
レミニスは一緒に旅することはなく、時折一緒に行動した世界で、四人は知らないうちに絆を深め、互いが関わり合って、変わっていった。<br />
でも、それは小狼の変容を始めとしてひびが入ったみたいに、おぼつかなくなってきていた。<br />
<br />
「・・・みんな、心も体もバラバラになっちゃうんじゃないかって。」<br />
<br />
<br />
―――――神に嫌われたんだ。おまえ、裏切ったな。<br />
その言葉は本当に聞こえたんじゃないかと思った。<br />
<br />
・・・でも、何も信じないで、後で信じなかったことを後悔するより、信じてその人を守りたい。<br />
<br />
そう思った。<br />
<br />
<br />
「・・・・私はあなた達と巡った国は十にも満たないから、私が大丈夫だと言ったらそれは嘘になるよ。」<br />
また手を動かしながら答えた。<br />
<br />
「よく知りもしないのに『信じてる』なんて嘘でしょ？<br />
　・・・でも、あの人達の事私よりよく知っている貴女が『信じてる』なら、そうなんじゃない？」<br />
<br />
「レミニス・・・。ありがとう。」<br />
レミニスは少し驚いたようにぱっ、と表情を変えたが、微かに笑顔になった。<br />
<br />
<br />
「レミニスなんか、変わったね。」<br />
「どうして？」<br />
「話し方とかもちょっと変わったし、なんか・・・雰囲気も変わった。」<br />
「話し方はもしかしたら、<br />
<br />
<br />
</p>]]>
    </description>
    <category>ツバサ二次小説連載・レミニス編</category>
    <link>http://ototokakera.blog.shinobi.jp/%E3%83%84%E3%83%90%E3%82%B5%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B9%E7%B7%A8/%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E3%80%80%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%BE%8C</link>
    <pubDate>Thu, 01 Nov 2007 12:50:19 GMT</pubDate>
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    </channel>
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