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夕稀
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女性
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レミニスがまさにとどめを刺そうとした時、小狼を縛っていたものが揺らいで、緩んだように見えた。小狼はそこから片手を抜いて、丁度そこに刺さったままになっていたレミニスの短刀を抜き取った。
そして小狼はレミニスの肩を貫き、レミニスは壁に剣を突き立てた。
レミニスは結局、彼を刺すことは出来なかった。
小狼を縛っていた魔術は完全に解けて、レミニスは刃を握り、短刀を引き抜く。最初にレミニスが小狼に向けて投げた刀だ。
レミニスは左肩を押さえて、後ずさりし、間合いを取ろうとする。
肩から熱が伝わって、躯全体が脈打つ。なのに、足先や指先、顔が冷たくなってきて、躯に力が入らない。
小狼は刀についた血をペロリと舐めた。
「お前の魔力の源はその血だな」
傷口から血が流れている。体の力も、魔力も抜けていくのが分かった。
「やめろ!!!」
黒鋼は二人の前に飛び出そうとしたが、レミニスの張った結界に阻まれて、どうすることもできない。
その時、水底の何かから侑子の魔法陣が見えた。そして次の瞬間、レミニスの前に少年が現れた。少年は小狼と瓜二つで、二人はお互いを見つめ合っていた。
「みんな・・・!」
さくらが目を覚まして、レミニスは眉をひそめた。
「サクラ!!」
「どういう事だ!?」
小狼の中から少年は心の半分を取りだした。
「その魔術師がおまえに戻そうとしたんだな・・」
「・・・そんなことしたって、彼も、無駄だって知ってたはずなのに、ね」
「それでも賭けたんだろう。可能性に」
少年はそれを自分の中に入れて、眼帯を外した。
さくらのみんなを呼ぶ声が辛く、痛い。
レミニスは息を整えながら、痛みをこらえた。
「どいて」
黒鋼達を覆う巨大な結界は大きく揺らぎ、消えてしまった。立っていられなくなって、その場に座り込む。
「駄目だ。そんな状態で・・それに、これはそもそも俺の問題だ」
小狼は少年に短刀を振りかざした。少年は別の足場に着地して避ける。
その時、彼の胸に付いた紋章が黒鋼の目に入った。
レミニスは自分の手に付いた血を舐めて、指をさっと前に出した。
小狼は少年の方にジャンプして、短刀を前に押し出す。その短刀にピシッと音がして、ひびが入った。
レミニスの指の先にあるその短刀に月を象った紋章がつき、光っている。レミニスがさらに指に力を入れると刃は砕け散った。
そのままレミニスは小狼に攻撃しようとしたが、魔力は少し出ただけで、小狼の所には届かなかった。
小狼が優勢に見えたが、少年は小狼の足を受け止めて、二人の蹴り技は重なった。
「刀!」
「え!?」
「刀出せ!!」
その時の黒鋼のただならぬ様子に気圧されて、モコナは口を大きく開けた。すると、小狼が空中に何か描いて引っ張る。
「なに!?」
口からは緋炎が出てきて、それを小狼が受け取った。
小狼の持つ緋炎から炎が起こって、全員が巻き込まれる。
さくらの目の下は涙で腫れ、手は傷だらけだった。さくらは小狼の名前を呼び続けた。
その前にはなにか、膜のようなものがあって、さくらはただ見ていることしかできなかった。
「・・・小狼・・君・・」
刀が真っ直ぐさくらに向けられて、レミニスは一瞬息を止めた。
そして躊躇無く下ろされ、さくらは思わず腰を抜かしてしまった。
しかしそのままもう一つの塊の方へ歩み寄っていく小狼を見て、さくらは必死に止めたが、小狼にその声が届くことはなかった。
それを緋炎で斬って、そこから羽根を取り出す。
そしてさくらは乱暴に引っ張られた。
初めて、小狼が本当に怖かった。
さくらは小刻みに震える。
「いや・・・待って・・」
耳なんて、聞こえてないかのように羽根をさくらに寄せた。
「小狼君・・」
胸の方で羽根が光って、自分の中に溶け込んでいく。
狭くなっていく視界の端にレミニスの姿が見えた気がした。
→目次
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そして小狼はレミニスの肩を貫き、レミニスは壁に剣を突き立てた。
レミニスは結局、彼を刺すことは出来なかった。
小狼を縛っていた魔術は完全に解けて、レミニスは刃を握り、短刀を引き抜く。最初にレミニスが小狼に向けて投げた刀だ。
レミニスは左肩を押さえて、後ずさりし、間合いを取ろうとする。
肩から熱が伝わって、躯全体が脈打つ。なのに、足先や指先、顔が冷たくなってきて、躯に力が入らない。
小狼は刀についた血をペロリと舐めた。
「お前の魔力の源はその血だな」
傷口から血が流れている。体の力も、魔力も抜けていくのが分かった。
「やめろ!!!」
黒鋼は二人の前に飛び出そうとしたが、レミニスの張った結界に阻まれて、どうすることもできない。
その時、水底の何かから侑子の魔法陣が見えた。そして次の瞬間、レミニスの前に少年が現れた。少年は小狼と瓜二つで、二人はお互いを見つめ合っていた。
「みんな・・・!」
さくらが目を覚まして、レミニスは眉をひそめた。
「サクラ!!」
「どういう事だ!?」
小狼の中から少年は心の半分を取りだした。
「その魔術師がおまえに戻そうとしたんだな・・」
「・・・そんなことしたって、彼も、無駄だって知ってたはずなのに、ね」
「それでも賭けたんだろう。可能性に」
少年はそれを自分の中に入れて、眼帯を外した。
さくらのみんなを呼ぶ声が辛く、痛い。
レミニスは息を整えながら、痛みをこらえた。
「どいて」
黒鋼達を覆う巨大な結界は大きく揺らぎ、消えてしまった。立っていられなくなって、その場に座り込む。
「駄目だ。そんな状態で・・それに、これはそもそも俺の問題だ」
小狼は少年に短刀を振りかざした。少年は別の足場に着地して避ける。
その時、彼の胸に付いた紋章が黒鋼の目に入った。
レミニスは自分の手に付いた血を舐めて、指をさっと前に出した。
小狼は少年の方にジャンプして、短刀を前に押し出す。その短刀にピシッと音がして、ひびが入った。
レミニスの指の先にあるその短刀に月を象った紋章がつき、光っている。レミニスがさらに指に力を入れると刃は砕け散った。
そのままレミニスは小狼に攻撃しようとしたが、魔力は少し出ただけで、小狼の所には届かなかった。
小狼が優勢に見えたが、少年は小狼の足を受け止めて、二人の蹴り技は重なった。
「刀!」
「え!?」
「刀出せ!!」
その時の黒鋼のただならぬ様子に気圧されて、モコナは口を大きく開けた。すると、小狼が空中に何か描いて引っ張る。
「なに!?」
口からは緋炎が出てきて、それを小狼が受け取った。
小狼の持つ緋炎から炎が起こって、全員が巻き込まれる。
さくらの目の下は涙で腫れ、手は傷だらけだった。さくらは小狼の名前を呼び続けた。
その前にはなにか、膜のようなものがあって、さくらはただ見ていることしかできなかった。
*
「・・・小狼・・君・・」
刀が真っ直ぐさくらに向けられて、レミニスは一瞬息を止めた。
そして躊躇無く下ろされ、さくらは思わず腰を抜かしてしまった。
しかしそのままもう一つの塊の方へ歩み寄っていく小狼を見て、さくらは必死に止めたが、小狼にその声が届くことはなかった。
それを緋炎で斬って、そこから羽根を取り出す。
そしてさくらは乱暴に引っ張られた。
初めて、小狼が本当に怖かった。
さくらは小刻みに震える。
「いや・・・待って・・」
耳なんて、聞こえてないかのように羽根をさくらに寄せた。
「小狼君・・」
胸の方で羽根が光って、自分の中に溶け込んでいく。
狭くなっていく視界の端にレミニスの姿が見えた気がした。
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<あとがきと裏話>
非常にヤバい感じです。雑誌のネタバレになるので詳しくは言えませんが・・やろうと思ってたことで、本編とちょっと・・被ってしまいました;
あの、最初から考えてたので、別に本編のを真似たんじゃありません。コミック化されて、それが何なのか分かっても、どうか優しい目で見てください。もう今更変えれないところまで来てしまいましたから・・。
非常にヤバい感じです。雑誌のネタバレになるので詳しくは言えませんが・・やろうと思ってたことで、本編とちょっと・・被ってしまいました;
あの、最初から考えてたので、別に本編のを真似たんじゃありません。コミック化されて、それが何なのか分かっても、どうか優しい目で見てください。もう今更変えれないところまで来てしまいましたから・・。
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